コラム

世界経済、西欧の一人負け

2010年10月12日(火)15時50分

 ギリシャ、ルーマニア、ベネズエラの気の毒な共通点は何か?

 3カ国とも、2010年から2011にかけて経済がマイナス成長に陥りそうな主要国だ。IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しによると、アンティグア・バーブーダやセントクリストファー・ネビスといったカリブ海の小国もマイナス成長になりそうだが、成長率がマイナス3・3%になる見通しのギリシャほど劇的に収縮する国は他にない。

 ギリシャだけでなく、西ヨーロッパ全体の先行きが暗い。ほとんどの国が0〜2%の成長で低迷しそうだ。対照的にアジアでは、成長率が2%を下回るのは政治的に不安定なキルギスタンだけ。アフリカでも、やはり政治的に安定しないマダガスカルが例外的に2%を下回るくらい。

 IMFが描く世界経済天気図は、完全に西ヨーロッパの一人負けだ。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年10月11日(月)13時05分更新]

Reprinted with permission from "FP Passport", 12/10/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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