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「宇宙で同期と待ち合わせ」が実現! その舞台「ISS」を知る7つのキーワード...日本の貢献、日本人宇宙飛行士の活躍

大西さん(写真左)から油井さん(同右)へと引き継がれたタスキ(8月4日) JAXA|宇宙航空研究開発機構-YouTube
<2030年に退役することが決まっているISS(国際宇宙ステーション)。その歴史や役割、活躍した日本人宇宙飛行士、さらには日本の貢献などを7つのキーワードで紹介する。油井亀美也さん2度目のISSミッションには、「もう1人の同期」も大きく関与することに?>
JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙飛行士の油井亀美也さんは2日、ISS(国際宇宙ステーション)に到着し、2度目の長期滞在を開始しました。
今回は、今年3月からISS滞在しており地球への帰還間近な大西卓哉さんが油井さんを出迎え、日本人宇宙飛行士2人による「宇宙での待ち合わせ」が実現しました。
「宇宙に日本人が同時滞在している」状況に世間の注目が集まるなか、JAXAは4日に大西さん、油井さんの引継式と共同記者会見を開催。サービス精神たっぷりの2人によるタスキの受け渡しなどが行われ、大いに盛り上がりました。
軌道上記者会見で、油井さんは「おそらく、今回が最後のISS滞在になりますが、皆さんに希望を与えられるようなミッションにしたい」と語りました。有人運用から25周年を迎えたISSは、30年に退役することが発表されています。
この機会にISSの歴史と役割、日本の貢献と日本人宇宙飛行士の活躍を概観してみましょう。
1. ISS誕生の経緯と歴史
ISSは地上から約400キロ上空に建設された有人実験施設だ。アメリカ、ロシア、日本、欧州、カナダの宇宙機関が参画する国際プロジェクトで、1998年に宇宙での建設が始まった。微小重力下という宇宙の特殊な環境を利用した研究や地球観測、宇宙空間からの人工衛星の放出などが行われている。
ちなみに「空と宇宙の境界」については様々な考えがあるが、高度100キロ以上とすることが多い。高度1000キロまでは(地球周回)低軌道と呼ばれ、ISSは約90分で地球を1周している。
2000年11月2日、NASA(米航空宇宙局)とロスコスモス(ロシア連邦宇宙機関)の宇宙飛行士がISSに到着すると「人類が地球だけでなく、地球外にも継続的に滞在する時代」が始まった。以来、人類の継続的な宇宙滞在は25年間続いている。
当初はアメリカとロシアの基本モジュールのみで構成されていたが、その後、「きぼう」日本実験棟など各国が開発したパーツがつなぎ合わされて大幅に拡張された。現在、居住可能な容積は約388立方メートルで、ISS全体を地面に置くとすると約108.5メートル×72.8メートルになり、ほぼサッカー場の大きさだ。
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