職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
だが、これらの職業に従事している人の収入が一律に減っているわけではない。真ん中の中央値だけでなく、より子細なデータを見ると問題の構造が見える。厚労省の資料には、当該職業従事者100人中の10位(第9・十分位)、25位(第3・四分位)といった分布特性値も出ている。月収の伸び幅が大きい歯科医師と、逆に減り幅が大きい公認会計士を取り出し、5つの分布特性値がどう変わったかを整理すると、<表2>のようになる。

歯科医師を見ると、第1・十分位(100人中90位)から第9・十分位(100人中10位)までの幅が広がっている。前者が減る一方で、後者が著しく増えているからだ。同じ歯科医師でも、稼ぐ層(上位4分の1以上)の収入の伸びが大きい。当該職業の収入は増えているが、内部格差の拡大も伴っている。公認会計士や税理士は全体的に収入が下がっているものの、上位10%の層だけが増えている。ここで見ているデータは勤め人だけのものだが、開業している自営業も含めたら、内部格差はもっと開いていると思われる。
若い頃、首尾よくホワイトカラー専門職に就けても、それだけで一生メシを食えるような安泰な時代ではなくなりつつある。職業需要の変化、同業内部での競争の激化......。時代とともに、このようなことが顕著になっている。絶えず学び続け、かつ「複数の顔」を持っておくことも大事だ。政府としても、リスキリングやリカレント教育の機会を拡充させる必要がある。
<資料>
厚労省「賃金構造基本統計調査」





