「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない中国で成長は実現できるのか

China’s “Smart Authoritarianism”

2026年2月13日(金)08時20分
ジェニファー・リンド (米ダートマス大学准教授)

ニューヨーク・タイムズ紙の記者ユアン・リーは23年2月、中国共産党によるテクノロジー業界への締め付けが、「この業界の野心を抑え込み、イノベーションを生み出す力を鈍らせた」と指摘した。

だが、テクノロジー業界の現在を見ると、こうした批判が行きすぎだったことが分かる。例えばこれらの報道は、規制強化の背後には個人情報の保護や金融危機再来への懸念といった、多くの健全な理由があったことを見落としている。


テクノロジー業界への締め付けが、その後緩和されたことはあまり大きく報じられていない。馬は表舞台に復帰したし、アントは調査が終了して活発な事業活動を続けている。

テクノロジー業界といっても、分野によって規制が異なることも見落とされている。例えば、AI関連はイノベーションを奨励するため、現時点では規制が緩い。

つまり習のテクノロジー業界への締め付けは、無知または不合理な指導者による自滅行為ではなく、可能なときには自由を認め、必要なときは管理するという賢明な権威主義の実践とも解釈できる。

「(規制を)緩めれば混乱を招く。締め付ければ(業界の)死をもたらす」と、南カリフォルニア大学法科大学院のアンジェラ・チャン教授は、中国における大手テクノロジー企業の規制に関する著書に書いている。賢明な権威主義は、そのどちらも回避するためにバランスを取る。

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