【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、ロシアに金を払い北極海へのアクセスを得ていた

China Paying Russia for Arctic Access While Deepening Nordic Bonds

2026年2月10日(火)17時51分
ディディ・キルステン・タトロウ(本誌米国版・国際問題担当)

高まる中国の存在感

専門家によれば、同盟国の意向を無視したトランプの強硬姿勢は、かえって中国を利することになりかねない。

「米国の北極政策はあまりにも予測不能で、グリーンランドをめぐる外交混乱の余波もあり、自らを責任ある北極のパートナーと主張する中国の立場に説得力を与えている」とランテーニュは指摘する。

ニュージーランドのカンタベリー大学で中国政治を研究するアン=マリー・ブレイディ教授は、中国はCNARCを通じて橋渡しを行い、人脈を築き、北極での存在感を常態化させてきたと語る。

「CNARCは、今より呑気な時代に設立され、中国はこの組織を通じて北欧諸国に働きかけてきた」とブレイディは述べた。「北欧諸国も、相手がロシアであれもっと警戒していたはずだが、中国に対しては油断があった。中国の北極政策は自分たちが形作れると考えていた」

4日、CNARCの年次総会に続いて開かれたアークティック・フロンティアーズ(北極問題を扱う国際会議)で演説したノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ首相は、北極圏高緯度地域における中国の活動について、北欧当局の認識が不十分ではないかという記者の質問に反論した。

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