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中国SNSで広がる「2000年代リバイバル」の裏メッセージとは?...メイクと音楽が映す「不安な現実」に企業が飛びつく

2025年8月4日(月)13時47分

コンサルタント会社、アパーチャーチャイナの創業者ヤリン・ジャン氏のデータ分析によると、大半の投稿はミレニアル世代の女性が、今より就職も消費も選択肢が豊富だった20代の頃を振り返るものだ。しかし、投稿に反応しているのは、当時より選択肢が限られる今の若者だという。

「こうした投稿が注目されている時期を考えると、大卒という学歴の価値の低下や、この夏の新卒が直面する就職難に対する幅広い不満への反応である可能性が高い」とジャン氏は語った。


 

中国当局の検閲を調査するチャイナ・デジタル・タイムズ(米国)の創業者、シャオ・チャン氏は「メイクやファッションなど日常的な記号を使って、経済の衰退と生活のプレッシャーへの不満を何気なく表現している」と指摘。大半のユーザーは中国の近過去の美に関する意見を投稿し、明るい感情を表現しているため、当局にとって「手を出しにくい」と説明した。

「経済的な繁栄に対する懐古によって、間接的な批判をするという雰囲気が生まれている。これは、経済に関する公式的見解への国民の信頼感を静かに損なうかもしれない」と語った。

飛びつく企業

ジャン氏によると、ジョルジオ・アルマーニやエスティ・ローダー、トム・フォード、ヴァレンティノといったファッションブランドは過去30日間に小紅書のこうした投稿に広告を紐づけた。

アリババ傘下の電子商取引サイト、淘宝網(タオバオ)では10以上の店舗が、このハッシュタグを使って衣類を販売している。

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