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まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的増加

2025年4月9日(水)11時20分
舞田敏彦(教育社会学者)

同じやり方で、後期高齢者のうち(身寄りがない)未婚者が何%かを都道府県別に出すと、2050年の最高値は東京で21.0%にもなる。都内のエリアごとの違いもあり、23区の地図を5%区分で塗分けると<図1>のようになる。

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これから先の変化が一目瞭然だ。2050年ではほとんどの区で20%を超え、最も高い北区では31.4%にもなる。後期高齢者の3人に1人が、身寄りのない未婚者ということだ。入院はもちろん、賃貸住宅を借りるのも容易でない。都市部では特に、身寄りのない高齢者の問題が深刻化する。

日本では長らく、高齢者の生活保障(福祉)は家族に委ねられてきたが、今後は家族依存の福祉は成り立たなくなる。儒教意識が急速に薄れている韓国も過渡期にあるが、韓国では年金等の社会保障が十分でないため、高齢者の自殺率が極めて高くなっている。社会全体での「包摂」を進めないと、近未来の日本も同じ状況になるだろう。

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