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荒川河畔の「原住民」(25)

封建時代の「浪人」が現代のホームレスになった? 日本のホームレス史をたどる

2025年3月20日(木)11時05分
文・写真:趙海成

ホームレスの人々が「迷惑な人間」と見なされる傾向が現れた。政府は環境を美化する必要があるという理由で、路上で暮らす人々を追い払い始めた。

それに伴い、ホームレスの人権問題が取り沙汰されるようになった。

1999年に省庁と地方自治体で形成した「ホームレス問題連絡会議」に始まり、 2002年の「ホームレス自立支援法」施行、2003年の「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」策定など、政府はホームレスの自立支援施策を推進してきた。

そのおかげか、ホームレスの数は2003年のピークから徐々に減少し、 2024年には2820人にまで減少している。私自身の観察によれば、ここ数年、荒川河川敷でもホームレスは確実に減っている。

2022年の後半に知り合った新荒川大橋の近くのホームレス6人のうち、3年後の今日には2人しか残っていない。3分の2がいなくなったのだ。

上野公園の炊き出し

ある日、上野公園の炊き出しには、食品と飲み物を受け取るために来ている人が300人弱いた。そのうちホームレスは何分の1だろうか

実際の数はもっと多い?...「見えないホームレス」

このルポの第22話「日本は恵まれている? ホームレスから見た政府機関の厳しさと優しさ」を発表した後、ある読者がヤフーニュースのコメント欄に次のコメントを残してくれた。客観的で参考になるので、本文の最後に掲載させてもらい、皆さんと共有したい(以下、原文ママ)。

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