最新記事
シリア

アサドは国民から強奪したカネ2億5000万ドルをロシアに空輸していた

Assad Airlifted $250 Million to Moscow Before Fleeing Syria: Report

2024年12月17日(火)19時03分
ブレンダン・コール
プーチンと握手するアサド

ロシアにプーチン大統領(右)を訪問したアサド大統領(7月24日) Sputnik/Valeriy Sharifulin/Pool via REUTERS

<国としてのシリアはロシアに負債を負っていたにもかかわらず、だ>

シリアのバッシャール・アサド大統領はダマスカスが陥落して失脚する5年以上前に、2億5000万ドル(現在のレートで約385億円)の資金をロシアに空輸していたことが報道で明らかになった。

フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、アサド政権が2018〜2019年にかけて、2トンの紙幣をモスクワに空輸していたことを示す記録を発見した。

シリアの長年の同盟国だったロシアは、シリア領土内に相当量の軍事資産を保有してきた。その1つが、地中海に面したシリアの都市タルトゥースにある海軍補給施設で、ロシア政府はアサド大統領の追放後も、こうした資産を何とか確保したいと望んでいる。

2011から続いたシリア内戦の期間中、アサドは政権維持のためにロシアのウラジーミル・プーチン大統領を頼った。2015年と2016年には、反政府勢力の拠点だったアレッポをロシア軍が空爆し、アサド政権が救われたこともある。

しかしアサドは12月、シャーム解放機構(HTS)率いる反政府軍によって、突然、権力の座を追われることになった。

アサド政権については以前から、内戦の資金を調達するためにシリア国民の富を略奪する犯罪行為に手を染めていると言われてきた。

FTの報道によると、シリアの中央銀行がロシアに2億5000万ドルを空輸した時期は、アサドはロシアに負債があった時期で、シリアでは外貨が大幅に不足していたという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米財政赤字、7月は2910億ドルに拡大 関税歳入は

ワールド

7月ブラジル消費者物価上昇率、前年比で市場予想下回

ワールド

中国、カナダ産キャノーラに反ダンピング関税 14日

ワールド

米ロ首脳会談前にロ軍が攻勢、ウクライナ・欧州は不利
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が教える「長女症候群」からの抜け出し方
  • 2
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入する切実な理由
  • 3
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 4
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 5
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...…
  • 6
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 1
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 2
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの母子に遭遇したハイカーが見せた「完璧な対応」映像にネット騒然
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 5
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中