最新記事
選挙

台湾総統選、まさかの鴻海創業者・郭台銘の「無所属出馬」表明で混戦模様に

2023年8月31日(木)18時34分
ロイター

台湾メディアは今、郭氏がこの結束をどう画策し、民進党が敗れた場合に次期政権でどのポジションを獲得するかを巡る思惑であふれている。

郭氏は28日に「私は団結の最大公約数になりたい。野党の他の候補者2人を招待し、コーヒーかお茶でも飲みながら、ざっくばらんに国政にいて議論するつもりだ」と述べた。

野党メンバーの一部は連立に前向きな姿勢を見せているが、国民党の候氏は26日の選挙戦イベントで、メディアに連立の可能性を問われた際に「なぜ、そんな話をするのか」と一蹴した。

郭氏の出馬表明以来、候氏は発言を控えながらも、28日遅くには「共通の価値観の下でのみ統合すべきだ。それ以外はあり得ない」と謎めいた言葉をフェイスブックに投稿した。

台湾の選挙制度は比較多数得票制であるため、民進党の頼候補の得票率が40%にとどまったとしても、残り3候補に票がほぼ等分に分散すれば、頼氏が勝利する。

郭氏出馬に対する民進党の反応はおおむね控えめだが、一部メンバーは喜びの声を上げている。

民進党のベテラン議員、王定宇氏はフェイスブックに、候、郭、柯の野党3候補を表す自動車3台の絵を描いて投稿し、「チキン」ゲームだと揶揄(やゆ)。「3つのうちどれが引っ込むだろうか。それとも最後まで突っ走って衝突するか」と書き込んだ。

もっとも、選挙当局によると、郭氏が正式に立候補するには11月2日までに有権者30万人近くの署名を集める必要があるため、立候補できる保証はない。

また、各政党による候補者登録の締め切りは11月24日で、理論的には候補者を代えたり、全面的に立候補を取り下げたりする可能性も残る。

郭氏は2020年の前回総統選で国民党からの出馬を目指したが、候補者指名を得られなかった。このため無所属で出馬するとの観測が高まったが、選挙の数カ月前に出馬しないと表明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

ゼレンスキー氏、和平巡る進展に期待 28日にトラン

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など

ワールド

中国、米防衛企業20社などに制裁 台湾への武器売却
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 7
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中