最新記事
日本政治

「サラリーマンの税金は安すぎ!?」 岸田政権が給与所得控除の引き下げを画策、年収400万円で20万円の負担増か

2023年8月21日(月)18時00分
山田真哉(公認会計士・税理士・作家) *PRESIDENT Onlineからの転載

年収400万円の場合「約20万円の負担増」の可能性

今後、政府が給与所得控除を主要国並みに下げる可能性は高いでしょう。

その場合、会社員の負担はどのくらい増えるのでしょうか。ざっくりですが、計算してみました。

仮に給与所得控除をフランスの水準まで下げると、年収400万円の人の税負担は年間43万円。ドイツの水準まで下げると、年間48万円の負担になります。

現在の給与所得控除水準だと、年収400万円の場合の税負担は26万円でしたので、17万~22万円程度の負担増が見込まれます。年間の税負担が約2倍になり、大体2カ月分の給料くらいを税金として支払うイメージでしょう。

社会保険料の57万円を追加すると、年収400万円の人の税・社会保障負担は100万円を超えてしまいます。

かなり大きな負担だと思いますが、政府はいまこういう税制に変えようとしているのです。

と言っても一気に増税するわけではなく、数年かけて少しずつ引き下げていくのではないでしょうか。

図表3 改正シミュレーション

「公的年金控除」「住宅ローン控除」も見直し予定

政府の目的は「働き方による税金の差をなくす」ことです。

そのため、給与所得控除を減らす代わりに基礎控除は増額することも考えられます。

実際、令和2年の税制改正でも、給与所得控除が10万円減った分、基礎控除を10万円増額しています。

ただ、政府税調が検討する増税は他にもたくさんあります。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイCPI、10月は前年比0.76%下落 7カ月連

ビジネス

日産、横浜本社ビルを970億円で売却 リースバック

ビジネス

カタール航空、香港キャセイ航空の全保有株売却 8.

ビジネス

米財務省、今後数四半期の入札規模据え置きへ 将来的
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    若いホホジロザメを捕食する「シャークハンター」シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中