最新記事
イスラム教

イラクがスウェーデンに大激怒...聖典コーランの「焼却デモ」が、深刻な外交対立に発展

2023年7月25日(火)18時49分
アレックス・シャープ
バグダッドのスウェーデン大使館を襲撃

首都バグダッドのスウェーデン大使館を襲撃 AHMED SAADーREUTERS

<イスラム教の聖典コーランを燃やすデモも「表現の自由」として容認してきたスウェーデンだが、治安維持のため見直しの動きも出ている>

イスラム教の聖典コーランを燃やす抗議運動が繰り返されているスウェーデンで7月20日、新たに首都ストックホルムのイラク大使館前でコーランを燃やすデモが計画され、警察の開催許可が下りた(実際にはコーランを蹴る行為はあったものの、燃やすことはなかった)。

 
 
 
 

一方、イラクでは、この計画に反発した数百人がバグダッドのスウェーデン大使館に突入して放火。イラク政府は大使館襲撃を強く非難した上で、駐イラクのスウェーデン大使に国外退去を求め、スウェーデン駐在の臨時代理大使を召還した。さらに、スウェーデンの通信機器大手エリクソン社のイラク国内での就労許可も停止。コーランを燃やす事件が再発すれば、外交関係を断絶する必要に迫られるとスウェーデンに通告した。

スウェーデンではこれまで「表現の自由」を根拠に過激なデモが容認されてきたが、治安維持の名目で、公共の場でコーランを燃やす行為を警察が取り締まれるようにする法改正が検討されている。

From Foreign Policy Magazine

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏CPI、4月はサービス上昇でコア加速 6月

ワールド

ガザ支援の民間船舶に無人機攻撃、NGOはイスラエル

ワールド

香港警察、手配中の民主活動家の家族を逮捕

ビジネス

香港GDP、第1四半期は前年比+3.1% 米関税が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中