最新記事
中東

イスラエルで司法改革案可決、最高裁の権限制限へ 抗議デモは国会前から全国に拡大

2023年7月25日(火)10時14分
ロイター
イスラエルのネタニヤフ首相(中央)

イスラエル国会は24日、ネタニヤフ首相が推進する司法制度改革の関連法案を可決した。エルサレムで撮影(2023年 ロイター/Amir Cohen)

イスラエル国会は24日、ネタニヤフ首相が推進する司法制度改革の関連法案を可決した。最高裁が「不合理」と判断した場合に政府の決定を無効にする権限をなくすなど、最高裁の権限を弱める内容が含まれており、司法の独立性を脅かすとして懸念されている。

野党議員は採決を抗議のためボイコットし、法案は賛成64、反対0で可決された。採決直後、政治監視団体や野党の中道派は最高裁に上告する構えを鮮明にし、主要労組はゼネストを実施すると警告した。

 
 
 
 

ネタニヤフ首相は可決後、裁判所は独立性を維持すると表明。11月末までに司法改革を巡り野党と合意に達することを望んでいると述べた。

レビン法相は演説で「司法制度を修正し、政府と国会から奪われた権限を回復するという、歴史的で重要な過程の第一歩を踏み出した」と表明。米国は繰り返し妥協を求めていたが、意に介さないもようだった。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は、イスラエル国会での司法改革関連法案の可決を「残念」と表明。「われわれは民主主義における主要な変化にはコンセンサスを得る必要があると確信している」とし、イスラエル指導部に対し「政治的な対話を通じコンセンサスに基づくアプローチ」に取り組むよう呼びかけた。

採決は抗議デモが継続する中で実施された。この日も早朝から抗議デモが行われ、デモ参加者は国会の前の道路を封鎖。夕方には抗議活動は全国に拡大した。

エルサレムでは数千人のデモ参加者が国会近くの高速道路に集結し、警察ともみ合いになった。また警察によると、イスラエル中部でデモ参加者の中を車が走り抜け、3人が軽傷を負った。

イスラエル国会での採決を受け、同国の金融市場は総崩れとなった。イスラエルの通貨シェケルは対ドルで1.4%下落し、12日以来の安値を付けた。株価指数は3.2%、国債価格は最大1.8%それぞれ下落した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米CB消費者信頼感指数、2月は91.2に上昇 雇用

ワールド

ウクライナ大統領「独立守った」、ロ侵攻から4年 G

ワールド

米、重要鉱物価格設定にAI活用検討 国防総省開発

ビジネス

AIが雇用市場を完全に覆すことはない=ウォラーFR
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 6
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 7
    「極めて危険」──ゼレンスキー、ロシアにおける北朝…
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 10
    武士はロマンで戦ったわけではない...命を懸けた「損…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中