最新記事

アメリカ政治

米債務上限協議、合意に至らず バイデンはデフォルト否定、イエレン財務長官「可能性極めて高い」

2023年5月23日(火)11時52分
バイデン米大統領(右)とマッカーシー下院議長(左)

バイデン米大統領(写真右)は5月22日、債務上限問題を巡ってマッカーシー下院議長(左)と「生産的な」会談を終えたとする声明を出した。ホワイトハウスで撮影(2023年 ロイター/Leah Millis)

バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長は22日、債務上限問題を巡り約1時間協議したが、合意には至らなかった。双方とも協議を継続する意向を示した。政府の支払いが滞ると財務省が警告する6月1日まで10日ほどしか残っておらず、デフォルト(債務不履行)の危機が迫る。

バイデン氏は声明で「デフォルトが選択肢になく、超党派合意を誠意をもって目指すことが唯一の道筋という点を再確認した」とし「生産的な」会談だったと述べた。

マッカーシー氏も協議が「生産的」だったと述べ、合意点を見い出すために事務方の交渉が「夜通し」で行われるとの見通しを示した。「合意はなお達成できると考えている」とした。

自身とバイデン氏は毎日協議する見込みだと語った。ただ、富裕層の増税や石油・製薬業界の税の抜け穴をふさぐことで財政赤字の削減を図るというバイデン氏の提案を検討する考えはないとした。

バイデン氏は協議前に何らかの進展があると「楽観」していると語っていた。それぞれの有権者に「売り込む」ためには超党派の合意が必要だとし、まだ見解の相違があると述べた。

イエレン財務長官は22日、議会に書簡を送り、債務上限が引き上げられなければ6月1日にも政府の支払いが滞る「可能性が極めて高い」という認識を改めて示した。

バイデン氏とマッカーシー氏が合意にこぎ着けても、議会で関連法案を可決するのに数日を要するとみられる。マッカーシー氏はデフォルトを回避できるタイミングで法案を成立させるには、週内に合意をまとめる必要があると述べた。

債務上限を引き上げる条件として、マッカーシー氏は歳出削減を要求。ホワイトハウスの当局者にょると、共和党側は先週、低所得層への食料援助プログラムを対象に支出を追加で削減することを提案した。

バイデン氏はツイッターへの投稿で、石油業界への大型補助金や富裕層の節税を認めながら多数の国民の医療保険や食料援助を削減のリスクにさらすような提案は支持しないと表明した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中