最新記事

アメリカ政治

トランプ一族企業の脱税疑惑、元経営幹部が15年間の違法行為認める

2022年8月19日(金)09時56分
トランプ・オーガニゼーション元最高財務責任者のアレン・ワイセルバーグのイラスト

トランプ前大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションで長年経営幹部を務めた人物が、ニューヨーク州の裁判所で同社の15年におよぶ脱税工作に関与していたと認め、検察側の証人として今後の裁判に出廷することに同意した(2022年 ロイター/Jane Rosenberg)

トランプ前大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションで長年経営幹部を務めた人物が18日、ニューヨーク州の裁判所で同社の15年におよぶ脱税工作に関与していたと認め、検察側の証人として今後の裁判に出廷することに同意した。

15件の罪で起訴されていたトランプ・オーガニゼーション元最高財務責任者(CFO)のアレン・ワイセルバーグ被告(75)は全てについて有罪と認定。その結果、禁錮5月が言い渡されたが、100日で釈放される可能性がある。199万ドルの追徴課税支払いも命じられた。

ワイセルバーグ被告は、トランプ氏を巡るより大規模な捜査には協力しない見通し。ただ今回の証言同意により、トランプ・オーガニゼーションが脱税をしていたという検察側の主張の裏付けが強化されそうだ。

検察は声明で「(被告の)有罪認定はトランプ・オーガニゼーションの幅広い違法行為を直接的に示唆するもので、被告の証言を通じて法廷でわれわれの起訴内容の正当性が証明されるのを期待している」と述べた。

トランプ・オーガニゼーションは一貫して無罪を主張しているものの、有罪判決が下された場合、制裁金支払いなどの処罰を受ける可能性がある。

トランプ氏自身は、今のところこの件では訴追されていない。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

26年度の超長期国債17年ぶり水準に減額、10年債

ワールド

フランス、米を非難 ブルトン元欧州委員へのビザ発給

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡・20人負傷 ガ

ワールド

英BP、カストロール株式65%を投資会社に売却へ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中