最新記事

英王室

「ここまで愚かだったとは」──チャールズ皇太子、スーツケース入りの大金授受が発覚

Charles 'Stupid' to Accept €3m in Cash as Calls Grow for New Investigation

2022年6月29日(水)16時51分
ジャック・ロイストン

BBCの元王室特派員、ピーター・ハントはツイッターにこう投稿した。「驚くべきは、政治家たちが驚いていないことだ。誰一人として、これが王室の常識なのかと問う者はいない」

「我が国の立憲民主主義の支持者たちは、事実上の国王が300万ユーロの現金を受け取ることに何の疑問も持たず、平然としているように見える」。

もしこれが「ヘンリー王子が現金を受け取った、という見出しだったら、いったいどんな反応になるか想像してほしい」と付け加えた。

公人のための基準設定委員会の委員長を務めていたアリスター・グレアム卿は、サンデー・タイムズ紙に、この現金のやりとりは「実にショッキング」だと語った。

「私は政治家と王族を区別していない。カタール政府が皇太子の財団に贈り物をしたいのであれば、多額の現金を渡すのではなく、寄付のための適切な方法があるはずだ」と、彼は言う

だが女王の元報道官ディッキー・アービターは、テレビのニュース番組「グッドモーニング・ブリテン」でこう語った。「送金小切手ではなく、現金で寄付したことは、見栄えは良くない。しかし、寄付として現金を差し出されたら、受け取りを断るということはないだろう」。

さらに「何か不正行為があったと言われているわけでもない。なぜ、みなさんがこのことで興奮しているのか、私にはわけがわからない」とも言った。

しかし、「現金の寄付は珍しいことで、普通は送金小切手か銀行振り込みだ。今回の件は異例だ」と付け加え、「皇太子はおそらく、相手の気分を害したくないという理由で受け入れたのだろう」と語った。

相次ぐ財団寄付疑惑

このやりとりで使われた500ユーロ紙幣は2018年末で発行が停止されたが、当時、フランスのミシェル・サパン元財務大臣は「この紙幣はあなたや私が食べるものを買うためというより、誠実でない取引を促進するために使われている」と語った、とガーディアン紙は報じている。

チャールズ皇太子の広報担当者は声明でこう述べた。「シェイク・ハマド・ビン・ジャシムから受け取った慈善寄付金は直ちに皇太子の慈善団体の1つに送金され、正しい手順に従って適切に処理されたことが確認されている」

この新たな疑惑の直前にも、皇太子の別の慈善団体であるプリンス財団でスキャンダルが起きていた。この財団は、事業のためにイギリスの市民権を申請していたサウジアラビアの実業家に寄付と引き換えに名誉勲章を与えたのではないかと報じられ、同財団の最高経営責任者マイケル・フォーセットが辞任した。

今回の問題については、警察の捜査と並行して、スコットランド慈善事業規制局(OSCR)による捜査も行われている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

みずほFG、発行済み株式の1.9%の自社株を消却へ

ビジネス

ブルー・アウルのプライベートクレジット、投資会社が

ビジネス

日経平均は反落、一時5万4000円割れ 原油高に反

ビジネス

ホンダ、四輪事業で特損計上し一転赤字予想 最大2兆
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中