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米人気チェーンの倉庫にネズミ大発生、「商品汚染」で400店以上が営業停止に

Why Family Dollar Is Closing Over 400 Stores

2022年2月25日(金)18時07分
ドーン・ゲスク
ネズミ

Pakhnyushchyy-iStock

<「1ドルショップ」大手ファミリーダラーの流通センターにネズミが大発生。多くの商品が「汚染」されたため、400店舗以上の営業停止を余儀なくされた>

アメリカで人気の大手「1ドルショップ」チェーン、ファミリーダラーが国内6つの州にある合計400店舗以上の営業を停止し、商品の自主的なリコールを発表した。問題の元凶は、アーカンソー州にある同社の配送センターで、1000匹を越えるネズミが大繁殖してしまったことだ。

この倉庫はアラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ、テネシーの各州の店舗に商品を流通させる拠点だった。米食品医薬品局(FDA)によれば、影響を受けるのは今年1月1日から現在までに同施設で保管・出荷された商品。ネズミの存在および活動により、サルモネラ菌のリスクがあるとしている。

リコール対象となった商品は医薬品、医療機器、化粧品、栄養補助食品、食品など多岐にわたり、その点数も膨大な数に上りそうだ。冷蔵品や冷凍品などは同施設に保管されずに出荷されるため、影響はないとしている。なおリコール対象の商品は、レシートがなくても返品可能だという。

営業再開と信頼回復には時間が必要

現時点でファミリーダラーは、実際に商品の使用などで健康被害が出たり、製品に不具合が出たりしているかは把握できていないとしている。同社広報担当者ケイリー・キャンベルは、「問題解決に向けて当局と協力しており、現在は事態を修復する過程にある」とする。

営業停止となった店舗についても、再開の見通しはまだ立っていない。ファミリーダラーは全米48の州に約8000店舗を持つ大手チェーンで、同業のダラーツリーに買収されて以降、その傘下にある。

今回、FDAの調査によってネズミ以外にも衛生面での問題が発覚し、長年にわたって不衛生な状況が改善されていなかったことが発覚したファミリーダラー。消費者の信頼を取り戻すには長い時間がかかりそうだ。

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