最新記事

中国

北京五輪を目前にオミクロン株と中国ゼロコロナの壮絶な戦い

Omicron March on Beijing Strains China's Zero-COVID Policy Before Olympics

2022年1月12日(水)18時19分
ジョン・フェン

NHCの11日の発表によれば、1月10日に中国全土で報告された有症状の市中感染例は110件だった。この数字には、陽性反応を示したが無症状の個人50人は含まれていない。パンデミックの発生以来、中国の保健当局は有症状感染者と無症状感染者を分けて発表している。

中国の感染者数は総計で10万3968人に達したが、コロナ関連の死亡者数は4636人で変化はない。

中国のゼロコロナ政策は、中国指導部、特に習近平(シー・チンピン)国家主席にとって政治的な重要性がある。ウイルス封じ込めの成功は、習が最も誇りにしている業績の一つで、中国共産党支配の正当性を裏付ける事実となる。今年秋に開かれる5年に1度の中国共産党の党大会で、前例のない3期目続投を求める習にとっては、きわめて重要な要素だ。厳しいコロナ対策は、党大会終了まで続くとみられている。

党大会の前には北京五輪だけでなく、6月に四川省成都市で2021年夏季ユニバーシアードが、9月に浙江省杭州市で2022年アジア競技大会が開催される。これらのイベントが成功すれば、習が指導者にふさわしいという印象が強化されるだろう。

ニューズウィーク日本版 台湾有事 そのとき世界は、日本は
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月26日号(8月19日発売)は「台湾有事 そのとき世界は、日本は」特集。中国の圧力とアメリカの「変心」に強まる台湾の危機感。東アジア最大のリスクを考える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア決算に注目、AI業界の試金石に=今週の

ビジネス

FRB、9月利下げ判断にさらなるデータ必要=セント

ワールド

米、シカゴへ州兵数千人9月動員も 国防総省が計画策

ワールド

ロシア・クルスク原発で一時火災、ウクライナ無人機攻
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋肉は「神経の従者」だった
  • 3
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく 砂漠化する地域も 
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 6
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 7
    一体なぜ? 66年前に死んだ「兄の遺体」が南極大陸で…
  • 8
    『ジョン・ウィック』はただのアクション映画ではな…
  • 9
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 10
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 9
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子…
  • 10
    3本足の「親友」を優しく見守る姿が泣ける!ラブラ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中