最新記事

米中対立

米、ウイグル強制労働防止法が成立 中国「重大な内政干渉」と反発

2021年12月24日(金)10時15分
バイデン大統領

バイデン米大統領は23日、強制労働を巡る懸念を理由に中国・新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法案」に署名した。REUTERS/Kevin Lamarque

バイデン米大統領は23日、強制労働を巡る懸念を理由に中国・新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法案」に署名した。中国は強く反発している。

法案は議会下院が14日、上院が16日にそれぞれ全会一致で可決していた。

同法は、ウイグル族などイスラム教少数派の収容施設がある新疆から輸入する全ての製品は強制労働によるものだという前提を置き、強制労働ではないと証明できれば、輸入禁止の適用除外とする。

綿製品やトマト、太陽光パネルに使われるポリシリコンなどは法執行の最優先項目に指定された。綿製品とトマトの輸入はトランプ前政権が出した命令で既に禁止されており、ウイグル族の人権侵害に絡みポリシリコンの輸入も既に制限されていた。新疆は綿製品の主要生産地で、太陽光パネル材料でも世界の大きなシェアを占めている。

中国政府は新疆での人権侵害を否定。ワシントンにある中国大使館の劉鵬宇報道官は電子メールで、強制労働防止法は「真実を無視」しているとし、「国際法や国際関係の基本原則に著しく違反しており、中国の内政問題に対する重大な干渉だ」と非難した。

「最新の状況に応じて一段の対応を取る」としたが、詳しい説明はなかった。

ブリンケン米国務長官は法成立は「新疆で進行するジェノサイド(民族大量虐殺)という背景も踏まえ、強制労働に対抗する米国の決意」を示していると強調した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国の不動産バブルは弾けるか? 恒大集団の破綻が経済戦略の転換点に
・中国製スマホ「早急に処分を」リトアニアが重大なリスクを警告
・武漢研究所、遺伝子操作でヒトへの感染力を強める実験を計画していた



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハマス、人質のイスラエル軍兵士の遺体を返還へ ガザ

ワールド

中国外相、EUは「ライバルでなくパートナー」 自由

ワールド

プーチン氏、G20サミット代表団長にオレシキン副補

ワールド

中ロ、一方的制裁への共同対応表明 習主席がロ首相と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 10
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中