最新記事

日本社会

女性の生涯未婚率、東京を抜いて1位になった「意外な県」とは?

2021年12月17日(金)19時00分
荒川和久(独身研究家、コラムニスト) *東洋経済オンラインからの転載

東京の女性の未婚率の高さについては以前もこちらの記事(『東京は高給女と低収入男の「未婚アリ地獄」だ』)でご紹介していましたが、相変わらずその傾向は続いています。しかし、驚いたのは、その東京が女性の1位ではなかったことです。

なんと1位は高知県だった

2020年生涯未婚率・都道府県別ランキング(女)

東京よりも高い生涯未婚率を打ち立てたのは高知県でした。東京より高い20.3%で、わずか0.2ポイント差ですが東京を上回りました。高知は、いままでも決して下位にいたわけではないですが、とはいえ東京を抜き去るとは予想外でした。

こうなると、なぜ高知が? ということを突き詰めたくなりますが、その前に、45~54歳の生涯未婚率対象年齢の女性未婚者数は、高知が約9000人に対しても東京は約22万人です。率だけでみてしまうと誤解しますが、やはり東京などの大都市での未婚は全国的に大きな影響を及ぼします。

ちなみに、東京・埼玉・神奈川・千葉の首都圏と愛知、大阪、福岡の7都府県の女性未婚者だけで、日本全国の女性未婚者の半分になります。大都市であるがゆえに結婚できないという見方もできますが、若い女性の人口移動は基本的に仕事を求めての移動となります(参照:『人口87万減なのに「世帯227万増」日本を襲う変化』)。

経済的自立に足る収入を得た女性は、逆に結婚という選択をする必要を感じなくなるという見方もできます。加えて、女性の場合、全体的に西日本が高く、東日本が低いという傾向があります。

男性のランキングは?

一方、男性をみると、おもしろいことに東日本が高く、西日本が低いという真逆の傾向です。

2020年生涯未婚率・都道府県別ランキング(男)

しかも、1位は岩手県の28.9%、2位は青森県の28.4%、3位は秋田県28.1%と、北東北勢がトップ3を独占です。男性の場合、東京は前回2015年時の3位から大きく順位を落とし、15位でした。男性の東京生涯未婚率は、女性の絶対値よりも高いので、決して低いとは言えませんが、女性と比べるとその順位は大きく違います。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏「イランが制裁解除を打診」

ビジネス

オープンAI、半導体工場建設で米政府の融資保証獲得

ビジネス

午前の日経平均は反落、主力株主導で5万円割れ 好決

ビジネス

仏ルノーがEV版新型「トゥインゴ」を発表、低価格帯
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中