最新記事

人種差別

米上院、アジア系へのヘイトクライム阻止へ 福島生まれのメージー・ヒロノ上院議員らが尽力

2021年4月15日(木)10時04分

米上院は、アジア系米国人に対する暴力に対処することを目的としたヘイトクライム関連法案の審議打ち切り動議を92対6の賛成多数で可決した。写真はメージー・ヒロノ上院議員。ワシントンで2019年4月撮影(2021年 ロイター/Jeenah Moon)

米上院は14日、アジア系米国人に対する暴力に対処することを目的としたヘイトクライム(憎悪犯罪)関連法案の審議打ち切り動議を92対6の賛成多数で可決した。フィリバスター(議事妨害)回避に必要な賛成60票を大幅に上回り、法案成立に向け前進した。

法案の採決日程は不明。関係筋によると、民主党上院トップのシューマー院内総務は13日に開いた党の会合で、週内の可決を目指す考えを示したという。

法案は民主党のメージー・ヒロノ上院議員とグレース・メン下院議員が主導。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で警察に通報されたヘイトクライムを検証する担当者を司法省内に置く内容が盛り込まれた。

また、州・地方の法執行機関にヘイトクライムの報告指針を示し、一般市民の啓蒙活動を拡大するほか、新型コロナに関連した差別的表現への対処指針も示す。

米国ではトランプ前大統領が新型コロナを「中国ウイルス」と呼んだことなどを背景にアジア系に対する暴力や差別の報告が急増している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


reuters__20210415104206.jpgメージー・ヒロノMazie Keiko Hirono(日本名:広野慶子、1947年11月3日生まれ)
福島県伊達郡睦合村(現在の桑折町)に生まれ。1955年、母親とハワイに移住し、1959年にアメリカに帰化。
1981年から1995年までハワイ州下院議員を務め、1994年から2002年までハワイ州副知事を務めた。2002年にハワイ州知事に民主党候補者として出馬するも落選。2007年から2013年まで下院議員を務め、2013年から上院議員を務めている。
彼女はハワイで最初に選出された女性上院議員、上院に選出された最初のアジア系アメリカ人女性、日本で生まれた最初の米国上院議員、そして米国初の仏教上院議員となった。


【話題の記事】
・中国人富裕層が感じる「日本の観光業」への本音 コロナ禍の今、彼らは何を思うのか
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾安全保障に「妥協の余地ない」、頼総統が予備役視

ビジネス

訂正-野村HD、国内初のVC投資型デジタル証券発行

ワールド

仏大統領が訪中へ、脅威に対処しつつ技術へのアクセス

ワールド

アングル:トランプ政権のAIインフラ振興施策、岩盤
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 8
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 9
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 10
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中