最新記事

南米

ペルー、新大統領に中道派国会議員サガスティが就任 1週間で3人目の交代

2020年11月17日(火)10時49分

ペルー国会は16日、新たな暫定大統領にフランシスコ・サガスティ議員(写真)を選出した。リマで撮影(2020年 ロイター/Sebastian Castaneda)

ペルー国会は16日、新たな暫定大統領にフランシスコ・サガスティ議員を選出した。国会によるビスカラ氏の大統領罷免、ビスカラ氏の後に暫定大統領となったメリノ氏の電撃辞任と、過去1週間で立て続けに国家元首が交代して混乱が続く国内情勢の沈静を図る。

世界銀行に勤務した経験を持つ76歳のサガスティ氏は、中道派「紫の党」に所属し、賛成97、反対26で暫定大統領に選ばれた。来年4月11月に予定される大統領・議会選挙の実行を含め、7月までの政権任期いっぱい大統領職を務める見通しだ。ただ新型コロナウイルスのパンデミックで痛手を受け、経済が大きく落ち込んでいる中で、国内の安定を取り戻すという難しい課題を背負うことになる。

足元の政治危機の発端は、大統領だったビスカラ氏と国会の衝突。先週、国会がビスカラ氏を汚職疑惑で弾劾、同氏がこれを否定したにもかかわらず大統領を罷免した。その後メリノ氏が国会議長から暫定大統領となったが、ビスカラ氏罷免に反発した国民による抗議デモが活発化し、2人の犠牲者が出るに及んでメリノ氏も短期間での辞任に追い込まれた。

シティは16日のノートで、サガスティ氏は混乱収拾に寄与しそうで、市場の支えになるとの期待を示す一方、当面は緊張が高いままで、マクロ経済の先行きには下振れリスクがあると警告した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナが改めて浮き彫りにした「毛皮工場」の存在
・巨大クルーズ船の密室で横行する性暴力



ニューズウィーク日本版 トランプ関税15%の衝撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年8月5日号(7月29日発売)は「トランプ関税15%の衝撃」特集。例外的に低い税率は同盟国・日本への配慮か、ディールの罠

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン核施設への新たな攻撃を懸念=ロシア外務省報道

ワールド

USスチール、米国人取締役3人指名 米軍・防衛企業

ワールド

イスラエル閣僚、「ガザ併合」示唆 ハマスへの圧力強

ワールド

中国外相、米との関与拡大呼びかけ 対立に警鐘
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い」国はどこ?
  • 4
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 5
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    13歳も72歳も「スマホで人生が終わる」...オンライン…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 9
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中