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中国オフショア人民元戦略:グレーターベイエリアにマカオ証券取引所

2019年10月30日(水)13時15分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

香港の役割とオフショア人民元の割合

現在のところ中国大陸に投資される資金の70%近くは香港を通して実行されているが、逆に中国大陸から海外に投資される資金の59.6%が、香港経由である。2019年9月11日に香港で開催された一帯一路サミットで、国家発展改革委員会副主任で、国家統計局の寧局長が述べている

一帯一路を支える資金源の一つであるAIIB(アジア投資インフラ銀行)はドル建てで支払われるが、シルクロード基金は23%が人民元で、香港から直接人民元で一帯一路沿線国に投資している。中国統計局によれば2017年度対外直接投資の内20%は人民元とのことである。

今後香港は、中国大陸からの「出口」の部分を主として担い、「入り口」の部分はマカオが(深センとも協力しながら)担う方向に、徐々に移行していくことだろう。そうすればアメリカからの影響を受けなくて済む方向にシフトできると中国は戦略を練ってきたわけだ。

香港デモは、結果的に「グレーターベイエリア」を「中国の巨大金融エリア」へと育て上げていく役割を果たしたと解釈できなくもない。なんとも皮肉な結果に複雑な思いがよぎる。

(なお、本コラムは中国問題グローバル研究所の論考から転載した。)


中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』(11月9日出版、毎日新聞出版 )『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

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