最新記事

アメリカ外交

トランプ、国連演説で対イラン圧力呼び掛け 平和の道にも言及

2019年9月25日(水)08時50分

トランプ米大統領は24日、国連総会で行った一般討論演説で、イランの「血の欲望」を批判し、同国に圧力を掛けるため米国に歩調を合わせるよう他国に要請した(2019年 ロイター/Lucas Jackson)

トランプ米大統領は24日、国連総会で行った一般討論演説で、サウジアラビアの石油施設攻撃に関連し、イランの残虐性を批判し、同国に圧力を掛けるため米国に歩調を合わせるよう各国に求めた。同時に平和へ向けた道は残されているとも強調した。

トランプ大統領は「全ての国は行動する義務がある。責任ある政府はイランの血への欲望を支援すべきではない」とし、「イランが脅迫的な行動を続ける限り、制裁は解除されず、強化されることになる」と言明した。

さらにイランが核兵器の追求を放棄しない限り、制裁を通じ同国の経済に圧力を掛け続けると確約した。

さらに「われわれが望んでいるのはパートナーであり、敵ではない」と強調。「戦争を仕掛けることは誰にでもできるが、平和の道を選ぶのは、最も勇敢な者のみだと米国は理解している」と語った。

トランプ氏の一般討論演説は3回目。過去2回の演説に比べ、抑制的なトーンにとどまった。

トランプ大統領の演説中、ロウハニ大統領はニューヨーク市内のホテルにとどまり、会場には姿を見せなかった。記者団に対しては、米国が対イラン制裁を解除すれば、2015年に締結した核合意の小幅な修正を巡り協議することに前向きと語った。

ロウハニ大統領は、米FOXニュースのインタビューでトランプ氏の「血への飢え」というコメントについて問われると、米国によるシリア空爆に言及。「米国は、残念ながらわれわれの地域で、テロを支援している。米国の行く先々で瞬く間にテロが広がっている」と述べた。

マクロン仏大統領は記者団に対し、同日中にイラン核問題を巡り、何らかの進展があることを期待していると語った。マクロン大統領は23日、ロウハニ大統領と会談した。

メルケル独首相も24日、ロウハニ大統領と会談。メルケル氏によると、米国との協議を促すとともに、協議開催の前に制裁が解除されるとイランが見込むのは非現実的だとの見方を伝えたという。

一方、トランプ大統領は演説で、中国の習近平国家主席に対しても厳しいメッセージを発した。中国がどのように香港の情勢に対応するかが注目されているとし「中国の対応が、将来の世界における中国の役割を大きく左右するだろう。われわれは習主席の偉大な指導者としての対応に期待している」と語った。

米中通商交渉については「米中が合意できると期待する。合意は両国に恩恵をもたらす。しかし、米国民にとって不利な取引を受け入れることはない」と再表明した。

*内容を追加しました。

[国連 24日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191001issue_cover200.jpg
※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。



ニューズウィーク日本版 ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月24号(2月17日発売)は「ウクライナ戦争4年 苦境のロシア」特集。帰還兵の暴力、止まらないインフレ。国民は疲弊し、プーチンの足元も揺らぐ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米報道官「キューバは大きな改革必要」、政権交代には

ビジネス

米国株式市場=続伸、エヌビディアなどAI関連株に買

ビジネス

FRB、1月のドル/円レートチェック実施を確認 議

ワールド

プーチン氏、米の対キューバ制限措置「受け入れられな
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 3
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方...勝利のカギは「精密大量攻撃」に
  • 4
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 8
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    アフガニスタンで「対中テロ」拡大...一帯一路が直面…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中