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イラン

イランはなぜ米軍ドローンを撃墜したか その真の標的

2019年6月24日(月)11時00分
キース・ジョンソン

ドローン撃墜が注目される一方で、イランの支援を受けるイエメンのホーシー派がその前日、サウジアラビアの淡水化施設を攻撃していたことは、さらに深刻な兆候といえる。ここ1カ月ほどで、ホーシー派はサウジの石油パイプラインや国際空港への攻撃を続けてきた。

淡水化施設への攻撃は実害をもたらさなかった。だが、サウジが貴重な水の確保を海水の脱塩施設に大幅に頼っていることを考えると、こうした施設への攻撃は数ある石油施設への一撃よりはるかにダメージが大きい。

今回の淡水化施設攻撃は失敗したが、サウジに心理的影響を与えなかったわけではないと、米国防大学のポール・サリバン教授は言う。「イラン側は成功するまで攻撃を続けるだろうし、もしも水施設の攻撃に成功すれば、深刻な事態を引き起こすことになるだろう」

From Foreign Policy Magazine

<2019年7月2日号掲載>

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