最新記事

サミット

G20大阪サミット、目立つ参加国の亀裂 首脳宣言よりトランプ=習近平会談が目玉?

2019年6月25日(火)14時57分

米中首脳会談、話し合い継続で合意か

グローバル市場では、G20サミットよりも並行して開かれる米中首脳会談の行方に高い関心が集まっている。24日に米中閣僚による電話協議が先行して行われ、対話継続の意思が確認された。

米政府高官は24日、29日の米中首脳会談で「どのような結果になっても、かなり満足だ」と述べており、市場関係者の間では、今回の首脳会談では、協議の継続で両国が合意し、3250億ドル相当の中国からの輸入品への25%関税の賦課の期限が、一定程度、延期されるのではないかと観測が広がっている。

しかし、一部の市場参加者は「2000億ドル分の関税賦課によって、中国経済はすでにかなりの影響を受けており、中国経済の減速傾向がどのようになっていくのか注視が必要」(国内銀行関係者)との声も出ている。

米ロ首脳会談の行方も注目されている。プーチン大統領は20日のテレビ番組で、会談が実現すれば、経済関係を含む両国関係の正常化に向けた一助となると発言。サイバーセキュリティー問題でも協議したいと述べた。

安倍首相も精力的に各国首脳と会談する。まず、4月のワシントン、5月の東京に続き3カ月連続で行われる日米首脳会談では、外交・安全保障から経済問題まで幅広いテーマで意見が交わされる見通し。緊張高まるペルシャ湾岸情勢や米朝関係、日米通商交渉などで、トランプ大統領がどのような見解を表明してくるのか、日本政府関係者も神経をとがらせている。

日ロ首脳会談では、北方領土問題が主な話題になるとみられるが、プーチン大統領が22日に放映された国営テレビのインタビューで「(北方領土を日本に引き渡す)計画はない」と明言。今回の首脳会談における成果がどのようになるのか、不透明感が高まった。

日中首脳会談は、G20会合に先立つ27日に予定されている。安倍首相は昨年10月の訪中以降、日中関係はかつてないほど改善していると繰り返しているが、訪中時に表明した知的財産権などを巡る日中協力の多くは、その後進展していない。

直近では米国による対中包囲網に対し、日本が積極的に関与する姿勢を示しており、中国側の反応が注目されている。

日韓首脳会談は、徴用工問題打開の見通しが立たない中、開催が見送られるのではないかとの見方が日本側にある。

(竹本能文 編集:田巻一彦)

[東京 25日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプvsイラン
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月8日号(7月1日発売)は「トランプvsイラン」特集。「平和主義者」の大統領がなぜ? イラン核施設への攻撃で中東と世界はこう変わる

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

チェコでも大規模停電、送電線が落下 欧州の電力イン

ワールド

ハマス、米停戦案に「前向き」回答 直ちに協議の用意

ワールド

米テキサス州の川氾濫、少なくとも24人死亡 女子向

ワールド

トランプ氏、12カ国への関税書簡を7日に送付 対象
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 10
    1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きく…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中