最新記事

極右

ヨーロッパの極右はやはりロシアとつながっていた

2019年5月28日(火)17時30分
チャールズ・タノック(欧州議会外務委員)

イタリアも似たようなことになっている。ポピュリズム政党の「五つ星運動」との連立で政権に参加した極右政党「同盟」(旧称「北部同盟」)は、党首のマッテオ・サルビニを副首相に送り込んだが、この男は今やヨーロッパにおけるプーチンの最大の代弁者だ。対ロ制裁に反対するだけでなく、ロシアによるクリミア半島の併合を擁護してもいる。

フランスでも、マリーヌ・ルペン率いる極右「国民連合」(旧称「国民戦線」)が過去に、ロシア政府とつながりのある銀行から融資を受けていたことは公然の事実だ。

イギリスでも、ブレグジット(EU離脱)推進派の一部にロシアマネーが渡っていた疑惑があり、当局が捜査中だ。事実だとすれば、ブレグジット後のイギリスではロシアの影響力が大きくなる恐れがある。

そもそもロシアは、イギリスをEUから引き離そうと画策していた。プーチンはヨーロッパの分断を望んでいる。そして現に、ブレグジットはイギリス国民を大きく引き裂いたし、EUの団結にも大きなくさびを打ち込んだ。

プーチンは欧州各国の伝統メディアの信用失墜も狙っている。現にイギリスでは、強硬離脱派を支援する一部メディアがせっせとフェイクニュースをばらまいている。

欧州議会選の直前にオーストリアを襲った危機は、欧州各国の指導者と有権者に対する警鐘だった。ロシアの手先と化したポピュリズム勢力を、もはや野放しにしてはおけない。

(C)Project Syndicate

<本誌2019年6月4日号掲載>

20190604cover-200.jpg
※6月4日号(5月28日発売)は「百田尚樹現象」特集。「モンスター」はなぜ愛され、なぜ憎まれるのか。『永遠の0』『海賊とよばれた男』『殉愛』『日本国紀』――。ツイッターで炎上を繰り返す「右派の星」であるベストセラー作家の素顔に、ノンフィクションライターの石戸 諭が迫る。百田尚樹・見城 徹(幻冬舎社長)両氏の独占インタビューも。


ニューズウィーク日本版 日本人が知らない AI金融の最前線
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月3号(2月25日発売)は「日本人が知らない AI金融の最前線」特集。フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに[PLUS]広がるAIエージェント

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

サムスン、「ギャラクシーS26」を発表 主要市場で

ワールド

北朝鮮軍事パレード、金正恩氏娘が出席

ワールド

米政権、ミネソタ州向けメディケイド資金を一部停止 

ワールド

北朝鮮の金総書記、核兵器の増強表明 軍事パレードで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 2
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違憲とした「単純な理由」
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された…
  • 5
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 6
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 7
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 8
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中