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世界が笑った中国模倣建築、実は、なぜだか販売好調

China’s “Duplitecture”

2018年8月7日(火)19時00分
クリスティーナ・チャオ

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ロンドンのタワーブリッジにそっくりな江蘇省蘇州の橋 REUTERS

ここ数年は天都城も住民が増え始め、「鬼城」から普通の住宅地に変わってきた。「少し奇妙な街だと思う。ここに住んでいるのは、安いから。杭州でこの値段はものすごく安い」と、住民のレイチェル・ニーは言う。

今では駐車スペースの大半が埋まっている。夜にはカップルが通りを散策し、偽エッフェル塔の下では毎日、観光客や結婚式の参加者が記念写真を撮る姿が見られる。

ボスカーとマッケイは中国の模倣建築ブームの理由を何年も探し続けてきたが、答えはまだ見つかっていない。「明らかなコピーであり、ほとんどパロディーのようなものなので、実際には大した問題ではないのかもしれない」と、マッケイは言う。

「そこを訪れ、歩き回り、飲み物を飲んでいる人たちが楽しいなら、それでOKなのだろう」

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ロンドンの街並みを再現した上海郊外のテムズタウン(泰晤士小鎮) ZHANG PENG-LIGHTROCKET/GETTY IMAGES

[2018年8月 7日号掲載]

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