最新記事

イラン

イラン・ハメネイ師がイスラエルとアメリカに報復を警告

2018年5月1日(火)19時52分
トム・オコナー

今年の4月はじめにはアメリカ、フランスとイギリスが、アサドの推し進める化学兵器開発計画との関連が疑われる複数の施設を巡航ミサイルで攻撃。イスラエルも、シリア国内にあるイランとその同盟勢力が所有しているとみられる拠点を繰り返し攻撃してきた。シリア国内で拡大を続けるイランのプレゼンスを縮小させるために、今後も同様の攻撃を行うと宣言した。

4月29日には、夜間にハマ県(ダマスカスの北に位置)の南部にあるシリア軍の拠点で大規模な爆発が発生。イギリスに拠点を置く人権団体、シリア人権監視団は、シリア人ならびに数多くのイラン人も犠牲になったこの攻撃について、背後にイスラエルの存在があるようだと指摘した。

イスラエルがイランの拠点に対するさらなる攻撃も辞さないと警告し、シリア東部ではイランが支援する親アサド政権派の戦闘員とアメリカが支援する民兵組織との対立が激化するなかでの攻撃だった。

ハメネイは29日の演説の中で、アメリカにはこの地域に介入する権利はないとし、イラン軍や同盟諸国を攻撃すれば報復すると警告した。

「撤退すべきはイランではなく、アメリカだ。我々はこの地域の生まれであり、ペルシャ湾岸は我々のふるさとだ」とハメネイは語った。

「前の米大統領のときにも言ったが、攻撃して逃げおおせる時代は終わった。攻撃したら反撃を受ける。アメリカも、より強力な反撃に遭うことになるのは分かっているはずだ」

(翻訳:森美歩)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、零細事業者への関税適用免除を否定 大

ビジネス

加藤財務相、為替はベセント米財務長官との間で協議 

ワールド

トランプ米大統領、2日に26年度予算公表=ホワイト

ビジネス

米シティ、ライトハイザー元通商代表をシニアアドバイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中