最新記事

プーチン

平昌五輪のロシア除外 プーチンの国内人気を一層高める

2017年12月8日(金)11時51分

12月6日、ロシアの各種世論調査からすると、来年3月の大統領選に出馬する意向を表明したプーチン氏(右)が再選するのは既に確実な情勢だ。モスクワで撮影(2017年 ロイター/Sergei Karpukhin)

ロシアの各種世論調査からすると、来年3月の大統領選に出馬する意向を表明したプーチン氏が再選するのは既に確実な情勢だ。

しかし国際オリンピック委員会(IOC)が、ロシアによる組織的なドーピングを理由に平昌冬季五輪から同国の選手団を除外すると決定したことで、プーチン氏に対する国内の支持が一層強まる公算が大きい。「世界がロシアを敵視している」というプーチン氏のメッセージを受け、有権者が一致結束するとみられるからだ。

ロシアと西側諸国の関係は、ここ何年かで最も冷え込んでいる。そうした中で平昌五輪除外を決めたIOCについてプーチン氏は、ロシアが西側による封じ込めにさらされているとのおなじみのフレーズを持ち出し、政治的動機に基づくものだと批判を浴びせた。

さらに「ロシアは前進を続ける。何人たりともこの動きを止められない」と語った。

ロシア上院のコサチョフ外交委員長は、IOCの決定は西側の反ロシア行為だという主張を早速展開した1人で、ソーシャルメディアに「(西側は)わが国の名誉や評価、利益に狙いを定めている。裏切り者を買収し、メディアの狂騒を操っている」と書き込んだ。

またロシア国内では、IOCの決定はプーチン氏個人への侮辱と受け止める向きも多い。プーチン氏統治の成功の象徴とみなされた2014年のソチ冬季五輪で、ドーピング検査に関する「空前の組織的な不正操作」があったとIOCが指摘したからだ。

ただしプーチン氏はこれまでも何度か危機を自らの立場を有利にするために利用し、国際社会からの逆風を国内における政治的勝利へと転換してきた。

カーネギー国際平和財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長は「ロシアに対する外圧は、米国が主導する政治的動機が背景にあると理解され、国民の結束強化につながっている。さまざまな西側の制裁も、ロシア国家の礎を築く道具と化しつつある」と述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

PayPay、米ナスダックに新規上場申請 時価総額

ワールド

トランプ氏、ベネズエラと「並外れた」関係 石油富豪

ワールド

トランプ氏のイラン合意状況整備に期待、軍事行動回避

ワールド

ロシア、米との経済協力分野選定 ウクライナ戦争後見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 3
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 10
    エプスタイン疑惑の深層に横たわる2つの問題
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中