最新記事

北朝鮮

ティラーソン米国務長官、北朝鮮問題で中国やASEANに協力強化要請へ

2017年8月3日(木)10時32分

8月2日、ティラーソン米国務長官は、フィリピンの首都マニラで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合で、北朝鮮に対し厳しい姿勢で対応するよう中国や他のアジア諸国に働きかける方針だ。写真はワシントンで6月撮影(2017年 ロイター/Aaron Bernstein)

ティラーソン米国務長官は、フィリピンの首都マニラで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合で、北朝鮮に対し厳しい姿勢で対応するよう中国や他のアジア諸国に働きかける方針だ。ソーントン国務次官補代行が電話で明らかにした。

ティラーソン長官は中国外相との対話の機会は設けるが、北朝鮮外相と面会する予定はないという。

ソーントン氏によると、米政府は各国が北朝鮮との取引を「大幅に」減らすことを求めており、ティラーソン長官は北朝鮮の孤立化と国連制裁の実施強化ための協力拡大を要請する方針だ。

ソーントン氏は「圧力を強固にし、北朝鮮を孤立させることで、核・ミサイル開発に伴う機会費用を認識させたい」との考えを示した。

中国の北朝鮮対応については、圧力を強めるため「前例のない措置」を講じたと評価した上で、既存制裁の実行強化や追加制裁の適用に向けて「さらに多くの」ことができると強調、「より迅速な対応や、より明確で速やかな成果を望むが、まだ諦めはしない」と述べた。

中国を巡っては、米政権当局者が1日、トランプ大統領は中国の不公正な貿易慣行への対応を近く決定する可能性があり、関税や貿易制限などの導入を可能にする措置を検討していると明らかにした。

ソーントン氏はこうした措置への言及を控え、北朝鮮問題と通商問題は「取引」の形ではなく「ある意味で根本原理的な」形で関連していると指摘。米中が北朝鮮問題で協力できれば、平等で公正な市場アクセスを互いに享受できる互恵的な経済関係を間違いなく築くことができるだろうと述べた。

ティラーソン長官は5日からマニラを訪問し、8日からはタイとマレーシアも訪問する。

[ワシントン 2日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米政権、一部帰化者の市民権剥奪強化へ=報道

ワールド

豪ボンダイビーチ銃撃、容疑者親子の軍事訓練示す証拠

ビジネス

英BP、豪ウッドサイドCEOを次期トップに任命 現

ワールド

アルゼンチンの長期外貨建て格付け「CCC+」に引き
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中