最新記事

南米

ベネズエラ、反政府運動激化の西部に二千人派兵 安保理は情勢協議

2017年5月18日(木)14時09分

 5月17日、ベネズエラ政府は、反政府運動に伴う暴力行為を抑え込むため、コロンビアとの国境にある西部タチラ州サンクリストバルに兵士2000人を派遣した。写真は略奪を受けたサンクリストバルのスパーマーケット。(2017年 ロイター/Carlos Eduardo Ramirez)

ベネズエラ政府は17日、反政府運動に伴う暴力行為を抑え込むため、コロンビアとの国境にある西部タチラ州サンクリストバルに兵士2000人を派遣した。同州では15歳の少年が殺害される事件も起きている。

この日のサンクリストバルは店舗や企業が営業をやめ、兵士が警備に当たっていた。また住民によると、一部の貧困地区では略奪が続いているという。

ベネズエラでは4月初め以降、多数の国民がデモに参加し、選挙実施や投獄された活動家の釈放、外国からの支援、野党主導の議会設置を求めている。

マドゥロ政権はデモ参加者が暴力的なクーデターを企てていると非難し、その多くが「テロリスト」だと糾弾。ベネズエラ国営石油公社(PDVSA)は、デモのバリケードが影響してガソリン不足が生じていると指摘した。

こうした中、国連安保理は17日、ベネズエラ情勢について初めて協議した。

ヘイリー米国連大使は会議の目的について、ベネズエラの現状を周知させることだとし、安保理による対応を求めていないと指摘。「人権を尊重しなければ、シリアや北朝鮮などで見られるような方向に進むことになると、国際社会は声を上げる必要がある」と述べた。

これに対しベネズエラのラミレス大使は、米国がマドゥロ政権の転覆をもくろんでいると批判した。

[サンクリストバル(ベネズエラ) 17日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー経済に回復の兆し、来年度3%成長へ 世銀

ワールド

ハマス武装解除よりガザ統治優先すべき、停戦巡りトル

ビジネス

米ロビンフッド、インドネシアに参入 証券会社と仮想

ワールド

イタリア、25年成長率予想を0.5%に下方修正 2
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中