最新記事

テロ対策

トランプ政権、PC機内持ち込み禁止を欧州諸国にも適用か

2017年5月11日(木)10時42分

5月10日、欧米の政府当局者らによると、トランプ米政権は中東・北アフリカ地域発の航空便を対象にパソコンなど電子機器の機内持ち込みを禁止する措置について、複数の欧州諸国にも適用を拡大する公算が大きい。写真は米ニューヨークで2013年撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)

トランプ米政権は中東・北アフリカ地域発の航空便を対象にパソコンなど電子機器の機内持ち込みを禁止する措置について、複数の欧州諸国にも適用を拡大する公算が大きい。事情に詳しい欧米の政府当局者らが明らかにした。

当局者らによると、米政府はまた、貨物室で電子機器のリチウム電池が発火するリスクについて、対策を再検討しているという。

対象国の拡大はユナイテッド航空やデルタ航空、アメリカン航空など米航空会社に影響を与える可能性がある。

欧米当局者6人は、米国土安全保障省が禁止措置の適用拡大について発表する見込みだと述べたが、発表の時期には触れなかった。

2人の関係者によると、同省の当局者らは航空会社幹部らと11日に安全性の問題などを話し合うため会合を開く予定。議会に近い筋によると、ケリー国土安全保障長官は同日、国内の脅威について上院議員らに非公開の説明会を行う見通しで、航空会社を巡る問題についても協議するとみられる。

米国が3月に発表した携帯電話より大きい電気機器の機内持ち込み禁止はアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビア、カタール、トルコなど10空港から米国に向かう航空便が対象。パソコン内部に隠された爆発物の危険性に対処するためとしている。

英国もすぐに同様の措置を導入したが、対象路線は米国と多少異なる。1人の欧州当局者は、英国発の米国行き便が新たに米国の禁止措置の対象になる可能性があると明らかにした。

国土安全保障省のラパン報道官は、ケリー長官は「まだ何も決定していないが、われわれは脅威を巡る状況を引き続き見極めており、これに関して航空会社幹部や他の利害関係者と協議している」と述べた。

航空会社幹部らは、電子機器の機内持ち込み禁止措置が適用された場合に対応できるよう一部の米航空会社が準備を進めてきたと明らかにした。現行措置では、ロイヤル・ヨルダン航空やエジプト航空、トルコ航空など海外航空会社が運航する直行便のみに影響が出ていた。

また、当局者らによると、貨物室で電子機器のリチウム電池が運航中に発火することを防止するための対策についても協議されているという。

[ワシントン 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2

ビジネス

さらなる利下げは金融安定リスクを招く=米クリーブラ

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の22万件 継続受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中