最新記事

安全保障

敵基地攻撃能力の保有、自民が「直ちに検討」政府に求める

2017年3月30日(木)18時20分

3月30日、自民党は、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ中、敵基地攻撃能力の保有と迎撃態勢の強化を早急に検討するよう政府に提言した。写真は都内で2009年7月撮影(2017年 ロイター)

自民党は30日、北朝鮮の弾道ミサイル発射が相次ぐ中、敵基地攻撃能力の保有と迎撃態勢の強化を早急に検討するよう政府に提言した。政府は同盟国の米国と調整しつつ、提言を踏まえて弾道ミサイル対処力の増強を急ぐ。

提言は、北朝鮮の弾道ミサイル開発を「新たな段階の脅威」とした上で、敵領内のミサイル発射装置などを破壊する敵基地攻撃能力の保有を「直ちに検討」するよう政府に要求。新型迎撃ミサイルの導入や、領海のすぐ外側の排他的経済水域(EEZ)に落下する弾道ミサイルを迎撃可能にする法的措置の検討も求めた。

安倍晋三首相は「新たな段階の脅威に入ったと深刻に受け止めている。この認識は米国も同じだ」と発言。「提言をしっかりと受け止めたい」と語った。

政府は提言を踏まえて「種々の検討」(菅義偉官房長官)を行うが、日本が敵基地攻撃能力を保有するには、米国が「矛」、日本が「盾」という日米同盟の役割分担の見直しが必要になる。「イージス・アショア」や「THAAD(サード)」といった新型迎撃ミサイルも、導入を決めれば米国から調達することになる。

いずれも米国との調整が欠かせず、政府関係者の1人は、両国が早期開催で一致している外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の「議題になるだろう」と指摘する。

(久保信博)

[東京 30日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

自工会会長、米関税「影響は依然大きい」 政府に議論

ワールド

中国人民銀、期間7日のリバースレポ金利据え置き 金

ワールド

EUのエネルギー輸入廃止加速計画の影響ない=ロシア

ワールド

米、IMFナンバー2に財務省のカッツ首席補佐官を推
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中