最新記事

ライフスタイル

共働きも、お金持ちになりたければ住む場所を選べ

2016年9月14日(水)18時38分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

A7880S-iStock.

<「人は想像以上に住む場所から影響を受ける」と、『共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』著者の加谷珪一氏。今や結婚したカップルの半数以上が共働きとなるが、そうした人たちの資産形成にも「住む場所へのこだわり」は不可欠だ。では、どういう場所に住むのがよいのだろうか>

 日本で共働き世帯は増加傾向にある。独立行政法人の労働政策研究・研修機構によれば、共働き世帯は1114万世帯で、専業主婦世帯は687万世帯(2015年)。90年代半ばに共働き世帯が上回って以来、その差は開く一方だ。

 若い女性の専業主婦志向がメディアで取り沙汰されたりもするが、現実には、結婚したカップルの半数以上が共働き夫婦となる。それも「生活のために...」といった、お金にまつわる消極的な理由を挙げる人が少なくない。

 だが、もともとお金持ちの人――あるいはお金持ちと結婚した人――でない限り、共働きはむしろ「お金を稼ぐのに有利」だと、ポジティブに捉えるべきではないだろうか。本誌ウェブコラム「経済ニュースの文脈を読む」でお馴染みの評論家であり、億単位の資産を運用する個人投資家でもある加谷珪一氏によれば、夫も妻も「富を生み出す資産」であり、夫婦とはいわば「ポートフォリオ(資産の組み合わせ)」なのだ。

 加谷氏は新刊『30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)で、夫婦という資産が生み出す収益を最大化するためには、合理的に振る舞うことが大切だと指摘。マイホームから、貯蓄と投資、保険、子どもの教育費、親の介護と相続まで、共働き夫婦の「収益性」を上げるのに役立つ57の基礎知識を伝授している。

「夫+妻+夫婦」という3つの財布を持つことを推奨する本書から一部を抜粋し、5回に分けて掲載する。第1回は「No.22 住む場所、こだわりは?」から。


『30年後もお金に困らない!
 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』
 加谷珪一 著
 CCCメディアハウス

◇ ◇ ◇


●お金持ちになれる人 → できるだけ便利な場所に住む
●お金に縁がない人 → 遠くてもよいので広い家に住む

 お金持ちの人は、総じて利便性の高い場所に住んでいます。通勤時間は自分で思っているほど有効活用できていないのが現実です。これからお金持ちになりたいと思っている人ならなおさら時間の確保は重要となります。多少無理してでも移動時間によるロスは最小限にした方がよいでしょう。

便利な場所に住むとかえって消費が減る

 人は想像以上に住む場所から影響を受ける動物です。1日の時間の中で、移動に使う時間はかなりの割合を占めますが、これが人の思考に大きな影響を与えています。

 電車に乗っている時間は正味30分程度でも、その前後を合わせると1時間近くの時間になることも少なくありません。通勤で往復2時間という時間は、1年では480時間にもなります。1年間で丸20日間の時間が通勤で使われているわけです。便利なところに住めば、こうした時間すべて有効活用することができます。

 このことがもたらす精神的余裕は、数字では言い表せないほど大きく、仕事や家庭生活の質は格段に向上します。

参考記事:【図解】そもそもお金持ちって?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:メキシコ大統領、酔った男に抱きつかれる被

ビジネス

再送(5日配信の記事)-川崎重工、米NYの地下鉄車

ワールド

アルゼンチン通貨のバンド制当面維持、市場改革は加速

ビジネス

スズキ、4ー9月期純利益は11.3%減 通期予想は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中