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安倍×バーナンキの持論組み合わせ、実質ヘリコプターマネーとの声も

2016年7月13日(水)20時10分

 ただ、先の政府関係者は、金融緩和の推進と積極財政の実施によって、事実上ヘリコプターマネーに近い効果を持つと、一部のマクロ専門家が主張していることは認めている。

 バーナンキ氏と安倍首相が、ヘリコプターマネーの導入で見解一致を見たという事実はないにしても、安倍首相の主張する「積極的な財政政策」とバーナンキ氏の見解である「限界のない金融政策」がクロスした場合、何が起きるのか。

 マクロ経済の専門家の中には、財源の制約を理由に財政出動の規模に限界が設けられるという事態を回避する「政策手段」の登場が可能になると予想する声がある。

「一億総活躍」のための政策には、個人への直接的な給付を含む財政資金の散布的な手段が含まれている。

 国内銀行のある関係者は「今後、どのような具体的政策が、何を財源に打ち出されてくるのか。その点が多くの市場関係者の注目を集めるだろう」と述べている。

 (ポリシー取材チーム 編集:田巻一彦)

[東京 13日 ロイター]


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