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ルセフ大統領が停職、弾劾裁判開始へ

賛成55票、反対22票の賛成多数で弾劾法廷設置が可決、有罪も免れない見通し

2016年5月13日(金)09時51分

5月12日、ブラジル上院はルセフ大統領(写真)の弾劾法廷設置を承認した。10日撮影(2016年 ロイター/Ueslei Marcelino)

 ブラジル上院は12日、ルセフ大統領(68)が予算法に違反したとして、同氏に対する弾劾法廷設置を賛成55票、反対22票の賛成多数で承認した。これにより裁判開始とルセフ氏の職務停止が決まった。停職中はテメル副大統領が代行を務める。

 裁判は今後半年にわたり続く可能性があり、その場合、8月のリオデジャネイロ五輪期間中も混乱が予想される。裁判で議員の3分の2が賛成すればルセフ氏は有罪となり失職するが、この日の投票結果をみるかぎり、同氏の有罪は免れない公算が大きい。

 ルセフ氏は記者団に対し、停職の通知を受けたことを確認した上で「わたしは間違いを犯したかもしれないが、犯罪を犯したつもりはない」と主張。自身に対する弾劾裁判はクーデター行為であり、戦いを続けると語った。

 ルセフ氏はこれに先立ち、閣僚を解任。オリンピック開催に向け最終準備に追われるスポーツ相も解任された。一方、トンビニ中銀総裁は解任されなかった。こうしたなか、テメル暫定大統領は12日、財務相にメイレレス前中銀総裁を任命した。

[ロイター]


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