最新記事

ブラジル

ブラジル最大政党が連立解消、ルセフ大統領の政権運営に危機

数カ月以内に大統領が弾劾される可能性が高まる

2016年3月30日(水)10時17分

 3月29日、ブラジル最大政党のブラジル民主運動党(PMDB)は、連立政権から離脱すると発表した。写真は離脱表明を祝う同党議員ら。(2016年 ロイター/Adriano Machado)

ブラジル最大政党のブラジル民主運動党(PMDB)は29日、連立政権から離脱すると発表した。弾劾を回避したいルセフ大統領にとって大きな打撃となる。

PMDBは指導部の会合で、同党に所属する閣僚6人と政府の指名を受けた他のすべての党員の退任を全会一致で決定した。

ブラジルの大統領制に基づき、ルセフ氏は大統領職にとどまるが、最大政党が連立を解消したことで数カ月以内に同氏が弾劾される可能性が急速に高まった。

PMDBの政権離脱を受け、他の政党にも同じ動きが出てくる可能性があり、ルセフ氏弾劾に向けた下院での採決が4月半ばに迫るなか、同氏の孤立は一層深まっている。

ルセフ氏が弾劾を回避するためには下院の3分の1に相当する議会メンバー171人の支持が必要。同氏の労働党(PT)はメンバーが58人で、PMDB(68人)を失うことで他の政党の支持に大きく依存することになる。

政府は進歩党(PP)や共和国党(PR)、ブラジル社会民主党(PSDB)などの支持を得て180票を獲得できるとみているが、PPは30日、連立政権からの離脱の是非について決定するため協議する予定だ。

[ブラジリア 29日 ロイター]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=

ビジネス

NY外為市場=ドルまちまち、対円では24年12月以

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

日本と関税巡り「率直かつ建設的」に協議=米財務省
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中