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崩壊寸前のソマリアに経験ゼロの新首相

2010年10月27日(水)15時42分
山田敏弘(本誌記者)

 内戦が続く「破綻国家」ソマリアに新首相が誕生した。10月中旬、憲法改正をめぐってアハメド大統領と対立して辞任したシェルマルケ前首相の後任に、無名のモハメド・アブドゥライ・モハメド(48)が指名された。

 だがモハメドには外交や政治の経験がほとんどない。外務省で公文書管理官などを務め、86年から3年間だけワシントンのソマリア大使館で1等書記官を経験。その後アメリカの市民権を得て大学を卒業し、最近までニューヨーク州バッファロー郡住宅管理局に勤めていた。

 こんな人物が選ばれたのは出身部族ごとに主要ポストを割り振る暫定政府の取り決めのせい。「モハメドが過去25年でソマリアを訪れたのは1度だけ。軍部の支持も政治基盤もまったくない」と、民間団体「米外交に関する全国委員会」の上級副委員長でソマリア情勢に詳しいJ・ピーター・ファムは語る。

 現在ソマリアは北西部と北東部が一方的に自治を宣言し、南部と中部はイスラム武装勢力が実効支配。暫定政府が統治できているのは、首都モガディシオの大統領宮殿とその周囲だけだ。「素人首相」に何もできないことは目に見えている。

[2010年11月 3日号掲載]

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