「動物好きで、一緒にいて楽しい人」──肖像画家が語るエリザベス女王の素顔
I Painted the Queen
特異な役割を受け入れて
最も印象的だったのは、女王が君主たることに全力を注いでいると同時に、シッティングも含めて自分が参加しなければならない伝統や習慣に、純粋にメリットを見いだしていることだった。
女王には生き生きとしたユーモアのセンスがある。だからこそ、自分の役割や王室の特異さを受け入れ、楽しむことができるのだと思う。
また女王は観察力が鋭く、自分の役割における不合理を見抜く力がある。肖像画のシッティングはまさにその1つで、写真が存在する現代では時代遅れな感じもする。
でも女王はそれを批判したり、ばかにしたりはしない。君主制という制度を傷つけるようなことは言わない。
最初の肖像画の3度目のシッティングが終わったとき、女王は「ちょっと見せて」と言って、絵をのぞきに来た。
さて、どう思われただろうか。女王は感情を表さず、とても礼儀正しく、感じがよかった。そこには、誰も傷つけないように感想を言わないという暗黙の決まりがあるのだろう、と私は思った。
とはいえ、少なくとも仕上がりを嫌ってはいなかったはずだ。4匹の犬を付け加えた肖像画は最終的に王室に寄贈された。そして現在、バッキンガム宮殿の謁見室に飾られている。
女王の70年間の治世を振り返って、最も印象に残るのは、その一貫性だ。どんなに大変なときも女王は国民に姿を見せ、その長い人生に基づく名文句を発してきた。
女王の英知は国民の助けになるし、ちょっとした一言も大きな影響を与える。言葉にとても重みがある。96年も生きて、年齢も知恵も重ねてこられた。この先も、もっとお言葉を聞きたい。
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