最新記事

国際貢献

医療格差をITの力で解消へ 途上国支援に邁進する日本人女性

2021年12月03日(金)17時34分
澤田知洋(本誌記者)
酒匂真理

COURTESY OF MIUP INC.

<才能のある子供が貧困のせいで教育機会を失っているという現実を知った彼女は、テクノロジーを武器に貧困という途上国の課題に向き合う>

酒匂真理の原点は17歳の頃のバックパッカーとしての体験にある。フィリピンを旅したとき、同い年の学業優秀な少年が奨学金をあえて断り、ゴミ拾いで家族を養う姿を目にして、「格差に対して無知だった」と衝撃を受けた。途上国支援を志して行き着いたのは、ITとビジネスの力で世界の隅々に医療を届ける事業だった。

外資系メーカーを経て2015年に現東京医科歯科大学准教授の長谷川嵩矩らとmiup(ミュープ)を創業。医療水準が発展途上のバングラデシュで検査センター、訪問健診・診療、AI(人工知能)医療の3事業を柱に展開している。

血液検査などの業務を受注する大型検査センターが今年3月から首都ダッカで稼働しているほか、訪問やクリニックでの診療・健診サービスも提供。AI技術で医師が遠隔から低コストで健診する貧困層向けの仕組みも国際協力機構(JICA)の支援で実証実験中だ。

いずれも効率化にデータ分析を含むITの力を活用している。経済成長著しく、生活習慣病患者が増えている同国で予防から検査、診断・治療までのサイクルを一気通貫で担うことを狙う。

「独特のエネルギー感があって、行くだけでポジティブになる」バングラデシュが好きだ、という彼女の挑戦は続く。

Mari Sako
酒匂真理
●miup(ミュープ)CEO

ニューズウィーク日本版 総力特集:ベネズエラ攻撃
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月20号(1月14日発売)は「総力特集:ベネズエラ攻撃」特集。深夜の精密攻撃で反撃を無力化しマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ大統領の本当の狙いは?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

追加利下げの理由見当たらず、インフレなお高すぎる=

ビジネス

FRB政策「良好な位置」、今年の経済見通し堅調=S

ワールド

トランプ氏、イラン情勢注視 全ての選択肢排除せず=

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長人選を数週間以内に決定へ
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    キャサリン妃の5つの「一軍バッグ」...イギリス製か…

  • 3

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    仕事も結婚生活もより順調──ペットと暮らすと幸せに…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    女性の胎内で育てる必要はなくなる? ロボットが胚…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    24歳年上の富豪と結婚してメラニアが得たものと失っ…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:総力特集 ベネズエラ攻撃

特集:総力特集 ベネズエラ攻撃

2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?