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アフターコロナに女性の唇が変化する? あの富豪セレブの「厚い唇」に続け

2020年05月08日(金)15時00分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

厚い唇の意味 セクシーだけじゃない

女性たちがカイリーのような唇になりたいと願うのはなぜか。カイリーのファンで、彼女に少しでも近づきたいという女性はもちろんいるだろう。厚い唇は「女性らしい」とか「色気を感じさせる」と言われているから、自分もイメチェンしてより素敵に見られたいという人もいるだろう。

カイリーの置かれた環境が羨ましくて、唇を変えることで彼女のように金銭的にも心理的にも余裕がある(であろう)セレブの気分を少しでも味わってみたいという人がいてもおかしくない。また単に流行に乗って、イメチェンしてみようという人だっているかもしれない。

このトレンドを俯瞰して、女性はなぜ厚い唇願望が強いのかという内容の記事が、あちこちで見られる。色気と結びついているから、という分析が多いなか、米国の女性向けサイト「THE CUT」では、色気以外の要素にもふれている。


●厚い唇は、若さと活力を示す......若いうちは何もしなくても唇はふっくらしているが、年齢を重ねると唇が薄くなったり形が崩れたりする。

●厚い唇は、健康的であることを表す......昔から唇に症状が現れる病気がある。

●厚い唇は、歴史的に理想的な美とされた......芸術作品では、性別に関係なく、厚い唇の人が描かれている。

●黒人の顔の美に通じる......カイリーに関していえば、彼女は黒人の美の特徴を意識して取り入れているのではないか

もう1つ、このトレンドには美容産業が大いに関係している。「THE CUT」でも指摘しているように、唇を厚くするのは胸やお尻の矯正に比べて費用が安い。また、化粧でも簡単に変えられるため、イメチェンへのハードルは低い。

男性は、女性の顔で「唇」は軽視

厚い唇願望の理由は人それぞれだろうが、女性らしさや色気を強調したいとして、それは誰に対してなのか。女友だちか、恋人か、職場の人たちか、町ですれ違う知らない人たちか。

いくつかの調査を見ただけだが、唇の厚さは、願望をもつ女性たちが考えるほどには、同性に対しても異性に対しても、あまり重要ではないようだ。英国ウィンチェスター大学の心理学者らが行った「男女が顔のどの部分に魅力を感じるか(20代前半の男女に調査)」という調査によると、男性にとっては女性の顔全体と目と髪が1番大事で、女性から女性を見た場合も目と髪が1番大事という結果だった。

ちなみに、日本でも似た傾向のようだ。男性が初対面の女性と会ったときに顔のどの部分を見るかという調査では、目と答えた人が8割以上で、肌、髪、口元(それぞれ4割以上)を大きく引き離した。

新型コロナウイルスの感染が終息したら、安堵感と、マスクやそのほかの措置からの解放感とで、唇を強調する女性は多いと予想するが、厚くする(見せる)かどうかは、街に出て観察したい。


s-iwasawa01.jpg[執筆者]
岩澤里美
スイス在住ジャーナリスト。上智大学で修士号取得(教育学)後、教育・心理系雑誌の編集に携わる。イギリスの大学院博士課程留学を経て2001年よりチューリヒ(ドイツ語圏)へ。共同通信の通信員として従事したのち、フリーランスで執筆を開始。スイスを中心にヨーロッパ各地での取材も続けている。得意分野は社会現象、ユニークな新ビジネス、文化で、執筆多数。数々のニュース系サイトほか、JAL国際線ファーストクラス機内誌『AGORA』、季刊『環境ビジネス』など雑誌にも寄稿。東京都認定のNPO 法人「在外ジャーナリスト協会(Global Press)」監事として、世界に住む日本人フリーランスジャーナリスト・ライターを支援している。www.satomi-iwasawa.com

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