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動物虐待

ペットに共食いさせても懲りない飼い主──凄惨な退去後の現場 

2019年11月13日(水)17時40分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

目の前で仲間の猫が死んでいく...地獄を見た犬

身勝手な飼い主の犠牲になったペットは他にもいる。10月24日の英ザ・サン紙が報じたのは、29歳の女性ティファニー・ゲストが家に置き去りにした一匹のスタッフォードシャー・ブル・テリアのクレイと、2匹の猫、レジーとロニーの末路。

ゲストは2017年5月20日にペットを見捨てて、自分は退去した。

それから約10日後、近隣住民から地元警察に「異臭がする」と通報があり、ゲストが住んでいた部屋の扉を開けると、そこには異様な光景が広がっていた。

滅茶苦茶な部屋は臭気で満ち、その中でかろうじて息をする犬のクレイ。飢え死にしたであろうレジー、そして食べられた跡があるロニーだ。クレイは治療のため、すぐに動物保護施設に送られた。

一方飼い主のゲストは、動物福祉の法に反したことで警察に居場所を突き止められつつあることが分かると、逃げるようにマルタ共和国へ飛んだ。その13ヶ月後にイギリスへ戻ったところを逮捕されたが、別日に改めて出頭することを約束して保釈され、そのまままたマルタ共和国に行ってしまったという。

しかしもう逃げられない。10月10日、ゲストはイギリスへ再入国し、今度は裁判まで保釈なしで拘留された。

イギリス動物虐待防止協会のポリス・ラセールによると、ペットたちが置き去りにされた部屋の床には瓶詰めの中身が散乱し舐められた形跡があったそうで、ペットたちが生きようと必死だったことが伺える。「生き残ったクレイにとって、目の前で猫が死にゆく姿を見るのは恐かったに違いない」と話す。

治療を受けたクレイは体重を取り戻し、新しくボビーという名前を与えられた。悲しい経験を忘れさせてくれるくらい幸せにしてくれる、責任のある新しい家族を待ちわびている。

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