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「人間関係もリゾットも上手に作れるようになるには時間がかかる」 おしゃれなゲイの、人生を変えるレシピ本

Recipes With Stories

2019年10月01日(火)18時20分
ケリー・ウィン

「確かに今は、心から愛する男性と一緒に暮らしているが、自分は同性愛者だと周囲にはっきり宣言したことはなかった。永遠にゲイでいるのか、それとも女性と恋に落ちて人生を共に歩むことにするのかも、はっきり分からなかった」

こうした葛藤が、このレシピ本に人間くさい魅力を与えている。もちろんそのレシピが、番組を通じて大衆の支持を得ていることも大きい。実際、『クィア・アイ』と同じように、この本はゲイだけでなく誰もが楽しめる1冊になっている。

とはいえ、最初は大変だったとポロウスキは認める。小説を書くことが夢だったと言うが、彼の中で料理と書くことは全く別のもの。「自分のレシピを書き留めたことはなかったし、計量カップなどの計測機器を使った料理法もしてこなかった」と、彼は言う。

「ひとつまみとか、ひとすくいといった感覚で料理をしていた。だから本を書くことになってから、それが具体的にどのくらいの量かを調べるようになった。

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(共著者の)ミンディー(・フォックス)にレシピを書き取ってもらう作業は、最初はとても大変だったけど、すぐにスムーズにできるようになった」

自分に自信を持てない人に、ポロウスキは次のように助言する。「小さく始めて、辛抱強く続けること。失敗も学びの一部だ。人間関係だってリゾットだって、上手に作れるようになるには時間がかかる」

ポロウスキはそれぞれの料理が持つ「物語」を大切にしている。「誰もが食べ物には個人的な思い出や思い入れがある。たとえそれがシンプルな料理でも、凝った料理でもね。だから、それをずっと作り続けているんだ。そうした由来にこそ料理の面白さがあることを伝えたい」

『クィア・アイ』は、18年2月から2年で4シーズンが放送されるというハイペース。現在はペンシルベニア州で第5シーズンの撮影中だ。この番組を通じて、世界一有名なゲイの1人となり、本も出版したポロウスキは次は何を目指すのか。

「この番組で仕事に対する考え方が一変した」と、彼は語る。「毎回、誰かを有意義な形で助けるプロジェクトをやっていると、それがほかの仕事でもスタンダートになる。『どうすればこれで、(1人ではなく)複数 の人、社会、家族にポジティブな変化を与えられるだろう』と、考えるようになる」

ただし、「今後のことは特に決めていない」と、ポロウスキは言う。「目の前にあることを一生懸命やって、その中から生まれるインスピレーションに従いたい。ただ、充電時間を自分に与えることも忘れないでおき たい。人生は短いからね」


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[2019年10月 1日号掲載]

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