最新記事

ヘルス

50歳未満は特に危険。長時間勤務を10年続けると脳卒中リスクは45%高まる=調査

2019年06月26日(水)17時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

疲れがにじむ通勤電車のサラリーマン(写真はイメージ)aluxum-iStock

<日本でも長時間労働は過労死や過労自殺のリスクを高めるものと認識され社会問題になっているが......>

アメリカ心臓協会(AHA)で報告された最新の研究から、長時間労働の健康リスクが如実となった。10年以上の勤務で、脳卒中の危険性が特に高まるという。科学系ニュースサイトのサイエンス・デイリーなどが伝えた。

調査では、2012年に始まったフランスの大規模なコホート研究CONSTANCESの参加者14万3592人を対象に年齢(18〜69歳)、性別、喫煙および労働時間に関するアンケートとインタビューを実施。調査にあたって長時間労働の定義は、少なくとも年間50日間10時間以上働くこととした。パートタイム労働者および長時間の労働をする以前に脳卒中を患った人は除外されている。

10年の長時間労働で脳卒中リスク45%増

この結果、全体で脳卒中を起こしていたのは1224人。長時間勤務を行なっていたのは、全体の29%を占める4万2542人。10年以上長時間勤務を続けた人は10%の1万4481人だった。

長時間勤務をした人の脳卒中リスクは29%高く、10年以上の長時間勤務の参加者の脳卒中リスクは45%高まるというデータが出た。

フランス国立衛生医学研究所(Inserm)のアレクシス・デスカサ教授によると、10年間の長時間労働と脳卒中の関連性は特に50歳未満の人に強い傾向がみられた。研究チームとしても予想外の結果だったそうで、さらなる調査が必要な分野だとしている。また、医療従事者は定義された長時間労働の枠を大幅に超える時間働いており「脳卒中リスクがより高まる可能性がある事を強調したい」と話す。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防

ビジネス

中国5月製造業PMIは49.5、2カ月連続50割れ

ビジネス

アングル:中国のロボタクシー企業、こぞって中東に進

ワールド

トランプ氏、鉄鋼・アルミ関税50%に引き上げ表明 
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    エリザベス女王が「リリベット」に悲しみ、人生で最…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    世界最大級のネコ、体重320キロのアポロを見て単純に…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 3

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「未来のスペイン女王」レオノール王女の成人の誓い.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:岐路に立つアメリカ経済

特集:岐路に立つアメリカ経済

2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる