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「こんまり」流が全米に拡散――ネット番組のヒットで日本発の片付け術が急激に広まっている

2019年01月21日(月)18時20分
寺町幸枝

Tidying Up with Marie Kondo | Official Trailer [HD] | Netflix YouTubeより

<ネットフリックスで1月から番組配信を開始するや「Konmari」という言葉がアメリカのソーシャルメディアでトレンドワードに急上昇。片付けコンサルタント近藤麻理恵による片付けメソッドが一気に注目を集めている>

2019年1月1日、米国発の映像ストリーミングサービス会社ネットフリックスから、最新シーズンが数本公開された。その一つが、日本人の片付け専門家・近藤麻理恵(通称こんまり)のドキュメンタリーシリーズ『KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~(Tidying Up with Marie Kondo)』だ。公開前から話題になっていたとはいえ、グーグルによれば、「Konmari」という言葉は、ここ数週間のトレンドワードに急上昇している。

絶妙なタイミングでのシリーズ公開

2014年に米国カリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を移し、海外での執筆や講演活動を精力的に行ってきた近藤麻理恵。ネットフリックスに向けた番組制作を開始したことは、2017年12月に公表されており、当初は昨年10月公開とされていた。それが今年1月1日に延期されていたのだ。

今回のこんまり流お片付けが突然広まったきっかけは、公開日も大きく影響しているだろう。家の片付けや、身の回りを整えて心機一転したいという気持ちは、日米問わず「新年の抱負」の代表的な思いだ。年始早々に、こんまり流の新番組を目にし、行動を起こすきっかけとなったことは容易に想像できる。

ソーシャルメディアが「正の連鎖」を引き出した

ポップカルチャーやスポーツ関連の情報提供している米メディア「ザ・リンガー」のエディター、モリー・マクヒューは、このこんまり流お片付けの急激な広がりやトレンド化を、グーグルやツイッターの数字を引き出し、多角的に分析している。

グーグルのキーワード検索における「Konmari」や「Konmari Method」は、伸び率に「Breakout(ブレイクアウト)」と表示される。グーグルによると、それまでと比べて「5000%以上」の伸びを示した言葉には、%ではなくこの表示をするのだが、まさにその伸びを示している。また、こんまりメソッドに関連する記事の「滞在時間の長さ」や「ページビューの多さ」が、約1カ月で7倍の伸びと指摘している。

また筆者がツイートを調べたところ、ハッシュタグ「Konmari」よるリーチは、200万アカウントを超えたこともわかった(1月19日現在)。

ソーシャルメディアに載せられた友人たちの片付けの様子が見える写真や動画を見ただけで、その影響を受けて実際に番組を見ずに、片付けに走る人も増えているようだ。女優のジェニファー・ガーナーもその一人。彼女がシリーズを視聴したかどうかは不明だが、自身のインスタグラムに自宅のクローゼットで片付けをする様子を「@konmari- I'm all about it(こんまりさん、私(お片づけへの)やる気まんまんです)」というコメントとともに掲載した。

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@mariekondo--I'm all about it. #doubloonssparkjoy #junkdrawer #canyoucomeover

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