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『ハウス・オブ・カード』が単なる政治劇でなく、「何かを成し遂げる」魅力的な仕事人たちのドラマである理由

2018年11月08日(木)20時25分
小堀栄之(経済ライター)

芋づる式に同様の疑惑が持ち上がる可能性が高くなったところで、スペイシーは出演を取りやめ。シーズン1~5は13話だったところ、最終シーズンは8話にして撮り直し、という事態になった。シーズン5の最後に物語の脇に追いやられたところで現実世界のスキャンダルが起き、フランシスは本格的に物語から退場をせざるを得なくなったわけだ。ファンの一人として、フランシスの退場も最終シーズンが8話に短縮されてしまったことも、残念と言うほかない。

シーズン6の予告編を見ると、フランシスが死去したことが明示されているが、その理由は明らかになっていない。病死なのか、何者かに殺害されたのか。夫の死にクレアは関与していないのか...。ケビン・スペイシーはインタビューで「フランシスという役を演じるのがこれほど面白いのは、彼が必ず何かをやり遂げる人間だからだ」と語った。このドラマは、政治の闇を描いた作品でありながら陰湿になりすぎない。それは、善悪に振れることはあるとはいえ、「何かを成し遂げる」魅力的な仕事人たちのドラマだからだと思う。

序盤から物語を支えてきたフランシスの腹心ダグ・スタンパーや前政権の報道官セス・グレイソンといった「古株」や、シーズン5から主力として存在感を発揮し、まだ謎が多いマーク・アッシャーやジェーン・デイビスといった強い魅力を持つ側近たちが、クレアとどう絡んで行くのか。楽しみな点は多い。ある小説に「不在が存在よりも濃い気配を作る」という一節があった。ドラマから姿を消したフランシスがどう存在感を発し、クレアと「共演」するのかも、強い興味をそそる点だ。

英語の教材としてもおススメ

コラムの締めくくりとして、ハウス・オブ・カードが実は英語の教材として優れているという点に触れておきたい。このドラマの登場人物たちは「上流階級」であり、話し方は速すぎず、使われる単語や言い回しも格調高いものが頻出する。特にクレアの英語は聞き取りやすい。ゆっくりと語られる演説のシーンも、格好のお手本になるだろう。

これが庶民階級や若者が中心のドラマだと、やたら喋り方が速く略語が多かったり、「くそったれ」を意味するいわゆる「Fワード」が連発されたりで、あまり真似したくないような代物だったりする。

ドラマでは、職場と日常生活の両方のシーンがふんだんにあるため、幅広く自然な表現を学ぶことが可能。ビジネスや外交で使われるオフィシャルな単語や言い回し、日常生活でのフランクな表現・遠回しな表現など、勉強になる点は尽きないはずだ。

【参考記事】リーダー層も苦手......日本の英語力不足はもはや「国難」だ

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