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ドイツ学生

キャンパスに寝袋、知り合いのソファを転々......学業よりも部屋探しに苦しむ学生たち

2018年11月14日(水)16時20分
河内秀子(ドイツ在住ライター)

知り合いの家を泊まり歩いて凌ぐ

「なかには駅で寝泊まりしている人も学生もいるようですが、部屋が見つからない学生の多くは、知り合いの家のソファに泊まり歩く『カウチ・サーフィン』をして凌いでいるようです」と、ベルリンの公立大学の学生寮や学食を管理する、学生連合代表のヤナ・ユーディッシュは言う。

「寝袋を持ち歩く学生のために講堂を開放するという措置を取った大学はベルリンにもあります。市内中心部のホテルで、3人部屋1カ月329ユーロという新入生向けの期間限定プランを提供するところもあり、利用者は多いようです」

ベルリンのこの学生課では、ベルリン中の家探し専門のインフォメーションセンター「IC studi@home」を設置し、相談や情報提供を行っている。さらに住宅情報のサイトを運営したり、また特に留学生向けにシェアメイトをマッチングするイベントを開催したりと対策を練っている。

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ベルリン芸術大学に隣接する学生連合内の家探しのインフォメーションセンター (Photo:Hideko Kawachi)

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インフォメーションセンターの壁に貼られた、ベルリン市内のホテルの新入生向け格安宿泊プランの告知ポスター (Photo:Hideko Kawachi)

他都市と情報交換もしている。たとえばミュンヘンには市内に住む高齢者と、家を探す大学生をつなぐ団体がある。その団体は、新1年生が、最初の1学期だけ無料で部屋を提供してもらう代わりに、買い物や料理、掃除などを手伝うルームシェアを提案。しかし、このルームシェアを希望する学生の数に対して、積極的な高齢者の数はあまりに少ない結果なのだそうだ。

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