最新記事

キャリア

海外移住「キャリアアップ」のリアル──日本人女性の挑戦2.0

2018年11月16日(金)14時40分

002-nww-181115.jpg
渡仏のきっかけは、夫のフランス就職だった。

妊婦生活と並行し、ロースクールで修士号を取得

パリ第二大学に入学後、フランス語ですべて資料を読んで勉強し、はじめは子どもを1日中ベビーシッターに預けて勉強をした。結果、少なくない数の学生が落第する中、モンルワはHonor(成績優秀者の称号)を取得して卒業することができた。

「当時、自分が納得できる結果を出せるかによって、その後の自分の人生に対する見方が変わると思っていました」。その後、知的財産法を専門的に学ぶため、フランスの名門、パリ政治学院のロースクールに進学をすることに決めた。

しかし、在学中に妊娠、大きなお腹を抱えて授業にでることになる。運良く、出産予定が夏休みだったため、休学はせずにすんだ。とはいえ、切迫早産の傾向があるモンルワに、ドクターストップがかかることもあった。無事に出産し、産後は通学をしながらトイレで搾乳をしたこともあったという。

こうして計3年間、子育てと両立しながらも集中的に仏語で法律を勉強した経験は、その後の仕事で活かされる力のベースとなった。

暗闇の6年間で発掘した「本当の自分」

妊娠・出産・子育てをしながらフランスのハードな大学院生活を送るというと大変そうだが、モンルワにとって一番の辛さは「自分自身と向き合う」ことだった。

「パリにいた6年間は毎日憂鬱な気分だったんです。『再就職はできるだろうか』、『国際機関で働けるだろうか』と、挑戦の度に自分に必要以上のプレッシャーをかけ、些細な出来事から落ち込むことも頻繁でした。そのときは人に会うという気も起こらず...。放っておくとどんどん暗くなってしまうので、自分と徹底的に向かい合いました。自分は何者なのか、何をしたら喜ぶのか――」

さらに、モンルワは続ける。「その頃は、こんな辛い暗闇の時期に『感謝できるときなんか一生来ない』と思っていたんです。それが自分自身でも驚くことに、『あの頃は精神的な成長をする時期。そのための試練だった』と思うようになりました。この暗闇の時期がなければ、いまだに『自分のことが分からない人間』になっていたと思います。今は自分の軸というか、大切にしたいことがよく分かっているから、困難にも以前よりどっしり構えていられるし、小さな日常の幸せに感動を覚え、人生をもっと楽しめるようになりました」

【参考記事】世界が絶賛するソリスト、田中彩子に学ぶ「世界で輝く」秘訣

その後、モンルワは2012年にパリの法律事務所で再就職、そこでフランス人弁護士と同様の仕事をこなす。さらに2015年にはジュネーブに移り、知的所有権に関する国連の専門機関に転職した。

現在は世界各国出身の同僚とともに、世界中のクリエイターや芸術家のために、また想像力溢れる豊かな社会のために、バランスの取れた国際著作権制度づくりに携わる日々だ。「音楽やアートが大好きなので、とてもやりがいがあります」

ニュース速報

ワールド

ソウル市長の遺体発見、謝罪のメモ残し自殺か 元秘書

ワールド

新型コロナ、東京都内で新たに240人以上の感染確認

ワールド

コロナワクチン開発の5社、21日に米下院委の公聴会

ビジネス

中国航空業界、第2四半期は49億ドルの損失 新型コ

RANKING

  • 1

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 2

    降り積もるマイクロプラスチックの脅威

  • 3

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 4

    ビーチでトップレス姿が減少、その理由とは

  • 5

    世界最大級のネコ、体重320キロのアポロを見て単純に…

  • 1

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 2

    誰もが容赦ない「選別」にさらされる中学生時代を見…

  • 3

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 4

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 5

    亡き娘にもう一度会いたい──死者にVRで再会する番組…

  • 1

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 2

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 3

    女性の美を競う世界大会5大会すべてで黒人女性が優…

  • 4

    4割の子どもにできていない「健全な愛着形成」 良い…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:香港の挽歌

2020-7・14号(7/ 7発売)

国家安全法で香港の自由と繁栄は終わり? 中国の次の狙いと民主派を待つ運命

MOOK

ニューズウィーク日本版

絶賛発売中!