最新記事
依存症

依存症になるのは人間だけではない...おもちゃ好きの犬がかかりうる「おもちゃ依存症」とは?

Doggie “Addiction”

2025年10月30日(木)15時45分
マリア・モラヴァ

犬にも依存症を引き起こす強迫観念が?

すると、105頭中33頭に、人間の依存症患者に多く見られる渇望や自制困難などの症状が見られたという。とりわけ犬の場合、おもちゃへの過度の執着や、そのおもちゃを優先して他の行動への関心が失われたり、おもちゃを取り戻そうとするといった行動が観察された。また、お気に入りのおもちゃを含む全てのおもちゃを視界から取り除いてからの15分間、落ち着きがないことも観察された。

お気に入りのおもちゃが見当たらないと、犬たちはそのおもちゃに執着し、長時間にわたり手に入れようと試みた。「餌を食べたり、飼い主と交流したりするよりも、おもちゃを手に入れることを優先する」傾向も報告されている。まさにおもちゃに「心を奪われている」状態だ。


人間の場合、行動依存の特徴は、よくない結果になることは分かっているのに、その行動を取らなければならないという強迫観念にとらわれることにある。過去の事例報告では、犬にもこうした強迫観念らしきものがある可能性が指摘されていた。

今回もその可能性は指摘されたが、まだ分からないことは多い。「犬が特定のおもちゃに過度に夢中になる理由と、それが犬の健康を害するまでになるか」は、さらなる研究が必要だと論文は説く。


Reference

Mazzini, A., Senn, K., Monteleone, F., & Riemer, S. (2025). Addictive-like behavioural traits in pet dogs with extreme motivation for toy play. Scientific Reports, 15(1). DOI: 10.1038/s41598-025-18636-0

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECBが金利据え置き、3会合連続 今後の金利動向示

ビジネス

日銀の利上げ見送り、極めてリーズナブルな判断=片山

ビジネス

日産の今期2750億円の営業赤字に、米関税が負担 

ビジネス

米財務長官、年内再利下げに疑問示したFRBを批判 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 5
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 6
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 8
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 9
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中